2022.3.2
, EurekAlert より:
コエンザイムQ10のような補酵素や亜鉛、銅、セレン、鉄などの微量栄養の不足を補うことは、心不全患者の心臓ミトコンドリアのエネルギーを生成する能力を高める心不全の効果的な治療法となる可能性がある、というオランダ・フローニンゲン大学医療センターからの研究レビュー。
横断的な研究で、心不全患者の最大50%に、1つまたは複数の微量栄養素の不足が見られることが示されている。細胞の発電所と呼ばれるミトコンドリアはグルコースや脂肪酸などのエネルギー基質からATPを作り出すが、微量栄養素の不足は、エネルギー生産に大きな影響を及ぼす。
研究チームは、心不全患者の心筋を「燃料不足のエンジン」ととらえることから、「自己破壊的な欠陥エンジン」へと転換することを提唱し、種々のエビデンスが、微量栄養素の不足を補うことで心不全患者の新たな治療戦略となる可能性を示唆している、と結論付けている。
「微量栄養素の欠乏はミトコンドリアのエネルギー生産に大きな影響を与えるため、心不全の方程式の追加要素と見なす必要がある」と共筆頭著者のニルス・ボマー博士はコメントしている。
出典は『内科学雑誌』。 (論文要旨)
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