2022.2.25
, EurekAlert より:
高齢者にとって、ランニングや早歩きだけが心臓病のリスクを減らす唯一の方法ではない。家事、ガーデニング、料理、そしてシャワー等セルフケア活動など、日常生活動作を行なうことは、心血管系の健康に大きな利益をもたらす可能性がある。米国カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究。
女性の健康イニシアチブの客観的身体活動および心血管健康研究の一環として、研究チームは、研究の開始時に63-97歳で心臓病を患っていなかった約5,416人の米国人女性の身体活動を測定した。
2012年5月から2014年4月の間に、参加者に研究用の加速度計を最大7日間着用してもらい、移動に費やした時間の正確な測定値を取得した。機械学習アルゴリズムを使用して、目覚めている間に費やされた1分ごとを、座っている、車に座っている、静止している、日常生活動作をしている、または歩いたり走ったりしている、の5つの行動のいずれかに分類した。日常生活の動きには、部屋や中庭で立ったり歩いたりするときに起こる活動(着替え、食事の準備、ガーデニングなど)が含まれた。
2020年2月28日までの追跡調査期間中に、616人の女性が心血管系疾患、268人が冠動脈疾患、253人が脳卒中と各々診断され、331人が心血管系疾患で死亡した。
データ解析の結果、日常生活動作が1日2時間未満の女性と比較して、日常生活動作が4時間以上の女性は、心血管系疾患のリスクが43%低く、冠動脈疾患のリスクが43%低く、脳卒中のリスクが30%低く、特に心血管系疾患による死亡リスクが62%低かった。
「高齢者が行う運動の多くは日常生活に関連していますが、身体活動とは見なされない場合があります。日常生活動作の利点を理解し、これを身体活動のガイドラインに追加すると、より多くの動きが促進される可能性があります」と主任研究者のアンドレア・ラクロワ特別栄誉教授は語っている。
出典は『米国心臓学会雑誌』。 (論文要旨)
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