2022.2.24
, EurekAlert より:
COVID-19患者の入院データの解析から、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛のサプリメントを摂取しても、COVID-19による死亡リスクは下がらないことが明らかになった。米国トリード大学の研究。
研究チームは、世界中から5,600人以上のCOVID-19入院患者を含む26件の査読済み研究をレビューした。
その結果、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛のサプリメントのいずれかを摂取した患者の死亡リスクは、摂取しなかった患者と同じであることが明らかになった。
ビタミンDの摂取は、挿管率の低下と入院期間の短縮に関連する可能性が示唆されたが、検証のためのより厳密な研究が必要であるという。ビタミンCと亜鉛の摂取にはそれらの関連はみられなかった。
本研究は主に、サプリメントを与えられたときにすでに病気でCOVID-19で入院している患者を対象としたが、感染前からビタミンDを摂取していた患者に限っても、死亡率の低下はみられなかったという。
「多くの人が、亜鉛、ビタミンD、またはビタミンCを摂取すると、COVID-19の臨床転帰に役立つと誤解しています」と筆頭著者のアジズラ・ベラン博士語っている。「これらのサプリメントをたくさん摂取しても、より良い結果が得られないことを人々が理解することが重要です。」
「もうひとつの重要なメッセージは、この病気への答えはワクチンであるということです。微量栄養素のサプリメントで、ワクチンの欠如を相殺したり、ワクチンを必要としなくなったりすることはありません。」
研究チームは、この研究がビタミンやミネラルのサプリメントが悪い、または避けるべきであると解釈されるべきではなく、むしろそれらがCOVID-19の死を防ぐには効果的でないことを明らかにするべきであると警告している。
栄養不良または微量栄養素が不足している一部のCOVID-19患者がサプリメントを摂取することで恩恵を受ける可能性はあると述べているが、それは彼らの体がすでに必須栄養素を欠いているためであるという。
「つまりこういうことです。もしあなたがこれらのサプリメントを医学的に必要としないなら、COVID-19から保護してくれると考えてそれを摂取しないこと」とベラン博士はコメントしている。
出典は『臨床栄養ESPEN』。 (論文要旨)
|