2022.2.8
, EurekAlert より:
SNSサイトは、誤った情報と陰謀説を増幅し続けている。この問題に対処するために、米国サウスフロリダ大学などの研究チームは、SNSユーザーがより信頼できるニュースソースに確実にたどり着くようにする解決法を見つけたという。
『ネイチャー人間栄養学』誌に掲載された研究で、研究チームは、SNSでコンテンツに優先順位を付けるために使用される推奨アルゴリズムに焦点を当てた。研究チームは、ユーザー数とページビューに基づいてエンゲージメントを測定するのではなく、ニュースソースの信頼性スコアと視聴者の政治的多様性に焦点を当てて、ニュースフィードでどのコンテンツが増幅されるかを調べた。
「質の低いコンテンツは、信頼できるかどうかに関係なく、私達の知っていること好きなことに一致するものだと魅力的に見えます」と主任研究者のジョヴァンニ・ルカ・シャンパグリア助教授は述べている。「その結果、誤った情報や陰謀説は志を同じくする聴衆の中でしばしばバイラル化します。このアルゴリズムは最終的に間違った信号を選択し、それをさらに促進し続けます。このサイクルを断ち切るには、志を同じくする視聴者ではなく、多様な視聴者にとって魅力的なコンテンツを探す必要があります。」
研究チームは、ウェブトラフィックに関するデータと、米国における性別、人種、政党の多様性を反映した6,890人の自己申告による党派性を使用して新しいアルゴリズムを作成した。データはオンライン世論調査会社YouGovによって提供された。また、NewGuard信頼性インデックスに基づいて3,765のニュースソースの信頼性スコアを確認した。このインデックスは、編集責任、説明責任、財務の透明性など、いくつかのジャーナリズム基準でニュースソースを評価している。
解析の結果、研究チームは、ニュース視聴者の党派的な多様性を取り入れることで、関連する推奨事項をユーザーに提供しながら、推奨されるソースの信頼性を高められることを発見した。このアルゴリズムはエンゲージメントや人気だけに基づいているわけではないため、党派性に関係なく、信頼できるソースを宣伝することができるという。
「これは特にSNSプラットフォームにとって歓迎されるニュースです。特に、彼らは党派性バイアスに対する批判を恐れて、アルゴリズムに変更を加えることを躊躇しているからです」と共著者のフィリッポメンツァーは述べている。
多様性の指標はエンゲージメントデータから導き出すことができ、プラットフォームはすでにこの種類の、ユーザーが「いいね」をクリックしたりニュースフィードで何かを共有したデータを、ログに記録しているので、プラットフォームはオーディエンスの多様性を独自の推奨アルゴリズムに簡単に含めることができるだろう、と研究者は述べている。
出典は『ネイチャー人間行動』。 (論文要旨)
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