2022.2.3
, EurekAlert より:
定期的な身体活動は、体の代謝物プロファイルを大幅に変化させ、これらの変化の多くは、2型糖尿病のリスクの低下に関連している、と東フィンランド大学の新しい研究が示唆している。
調査対象集団には、8年間追跡された7,000人以上の男性が含まれていた。身体活動が最も高いカテゴリーの男性は、不活動の男性よりも、2型糖尿病のリスクが39%低かった。身体活動は、合計198の代謝物、つまり、体の代謝の結果として形成される化合物のレベルと関連しており、身体活動の増加は、健康を増進させる食事と関連することが先行研究で示されている代謝物のいくつかに影響を及ぼした。さらに、本研究では、身体活動の増加がインスリン分泌を改善することが示されたという。
研究チームは、METabolic Syndrome In Men(METSIM)研究に参加している男性の代謝物プロファイル、インスリン感受性、インスリン分泌、および2型糖尿病のリスクと身体活動の関連を調査した。参加者の誰も研究の開始時に糖尿病を患っていなかった。研究の開始時と8年後に参加者を対象に身体活動アンケートを実施し、経口ブドウ糖負荷試験を実施した。空腹時血液からは合計1,260の代謝物が分析された。
身体活動と代謝物プロファイルとの関連は、本研究のように包括的で広範なコホートではこれまで研究されていなかった。実際、本研究は、多くの代謝物と身体活動との関連を確立した最初の研究であるという。
男性は、身体活動に基づいて4つのカテゴリーに分類された。身体的に不活動な人、たまにしか活動しない人、定期的に活動しているが週2回以下の人、少なくとも週3回以上定期的に活動している人。身体活動の単一セッションの期間は、少なくとも30分と定義された。
身体活動は、合計198の代謝物のレベルと関連していた。とりわけ、身体活動は、以前の研究で2型糖尿病のリスクが低いことに関連している様式でいくつかの脂質のレベルを変化させた。以前の研究では、健康を促進する食事は、例えば、不飽和脂肪酸レベルといくつかの同様の関連があることも観察されている。身体活動に関連する完全に新しい代謝バイオマーカーとして、研究者らは特にステロイド、アミノ酸、イミダゾール、カルボン酸、およびヒドロキシ酸を同定した。
フォローアップ中、2型糖尿病を発症するリスクは、不活動な男性と比べて、身体的に最も活発な男性で39%低く、週に2回以下の男性でも30%低かった。フォローアップ中に身体活動を増加させた男性では、空腹時血糖値とインスリンレベルが低くなり、インスリン感受性とインスリン分泌が向上することが観察されたという。
出典は『代謝物』。 (論文要旨)
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