2022.1.31
, EurekAlert より:
ケトやパレオのような低炭水化物ダイエットは、新年のダイエットに最も人気のある選択肢の1つかもしれないが、あなたの腸には最適ではないかもしれない、という仏ダノンニュートリシアリサーチなどからの研究報告。
この種類の初めての研究において、研究チームは、5つの食事パターンのうち、炭水化物が少なく、主に脂肪、動物性製品、および非でんぷん質野菜からなるエクスクルージョンダイエット(制限食の一種)を摂取した人がビフィズス菌の量が最も少ないことを発見した。さらに、植物ベースの食品が豊富だが肉や乳製品も含むフレキシタリアン食を摂っている人は、標準的な米国人の食事と比較して、腸内細菌叢の多様性が高かった。
研究チームは、市民ボランティアの微生物叢組成を研究している進行中の研究イニシアチブである「米国腸プロジェクト」で1,800人の成人の食事パターンを調査した。食物摂取調査から、長期の食事摂取量に基づいて参加者を5つのグループに分けた。
●植物ベース:肉をほとんどまたはまったく摂取せず、果物、野菜、全粒穀物を大量に摂取する菜食主義食およびビーガン(厳密菜食主義者)食。この食事は、他の4つの食事パターンと比較して食物繊維が最も多かった。 ●フレキシタリアン:植物ベースの食品を豊富に食べるが、肉を少々と大量の乳製品も摂取する。 ●健康志向の米国人の食事:ナッツ、全粒穀物、乳製品が豊富だが、甘いお菓子や精製穀物も多く、野菜が少ない食事パターン。 ●標準的な米国人の食事:砂糖入り飲料と加工食品の摂取量が最も多く、植物ベースの食品の摂取量が最も少なく、食物繊維の摂取量が最も少ないなど、すべてのグループの中で最も食事の質が低かった。 ●エクスクルージョンダイエット:この制限食は、他のすべてのパターンと比較して、炭水化物が最も少なく、脂肪と動物性食品が最も多かった。でんぷん質の食品やスイーツはほとんど含まれなかった。
腸内細菌の分析から、腸内細菌のα多様性は、フレキシタリアンに比べて標準的な米国人の食事で有意に低いことが明らかになった。さらに、エクスクルージョンダイエットの低炭水化物摂取者は、ビフィドバクテリウム属細菌の相対存在度が最低だった。これは、一部の食事が他の食事よりも微生物叢に優しい可能性があることを示唆している。
研究チームはまた、全体的な食事が、食物繊維やたんぱく質などの個々の食事成分よりも腸内細菌叢との関連性が高いことを発見した。「習慣的な食事と腸内細菌叢との関連性は大きな関心を集めていますが、私たちの知る限り、これはこのタイプのアプローチを使用し、腸内細菌叢との最良の関連性を提供する食事パターンを特定する最初の研究です」と主任研究者のパトリック・ベイガ博士は語っている。
「この研究は、大量の植物性食品を含むが、動物性食品を完全に排除するわけではないフレキシタリアンの食事パターンが、全体的な食事の質の向上と、最も栄養価の高い腸をもたらすアプローチの1つと関連していることを示しました」とミギュエル・フライタス博士は述べている。
研究はまた、植物ベースの食事と標準的な米国人の食事の腸内細菌叢のα多様性が類似していることを発見した。これは、植物ベースの食事パターンでの肉や乳製品などのいくつかの動物性食品の枯渇によって説明される可能性があるという。果物や野菜の摂取と多様性が腸内細菌叢の変動に関連する主な要因として報告されているが、動物性たんぱく質も微生物の多様性を高めることが示されている。
「これらの結果は、腸内細菌叢を研究する際に、食事全体を評価することが重要であることを確認しています」とベイガ博士は述べている。「それはまた、一般集団における、より個人化された食事戦略の設計を容易にするでしょう。」
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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