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[病気]  血管壁に見られる心臓病の新しい治療標的
2022.1.18 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

CARMNと呼ばれるRNA分子は、健康な平滑筋細胞に豊富に見られ、血管に強度と柔軟性を与えるが、アテローム性動脈硬化症などの血管疾患で明らかに減少する、という米国ジョージア医科大学からの研究報告。

RNAについては、それがどのたんぱく質を作るかによって遺伝子の機能が決まると考えることが多い。だが、ノンコーディングRNAはたんぱく質を作らないが、細胞の調節を助け、がんのような病態だけでなく、多くの異なる正常な身体機能に役割を果たすことが示されている。研究チームは、血管疾患において長鎖ノンコーディングRNAで何が起こっているのかを調べることにした。

CARMNは、ヒト平滑筋細胞に一貫して豊富に存在する唯一の長鎖ノンコーディングRNAであり、マウス組織の研究でも同じ結果が示されているという。

今回研究チームは、CARMNが平滑筋細胞の分化に重要なたんぱく質であり遺伝子の強力な活性化因子であるミオカルディンに結合してその活性を高めることを発見した。

「彼らはお互いの機能を強化するためにお互いを必要としています」と主任研究者のジリアン・チョウ博士は言う。CARMNは、平滑筋細胞に特異的かつ必須の関係でミオカルディンと相互作用することがわかった最初の非コードRNAである。

ヒト組織で見つかり、血管疾患のげっ歯類モデルで確認されたこの発見は、血管壁の平滑筋細胞が、プラークの形成を可能にすることへの新たな洞察を提供するものであるという。

「CARMNのレベルが低い場合、アテローム性動脈硬化症または血管形成術後に再狭窄を起こしやすくなる可能性があります」とチョウ博士は述べている。「CARMNがダウンレギュレーションされると、それらの平滑筋細胞で病気の引き金になります。」

研究チームが、一般的な血管疾患のモデル動物で健康なCARMNレベルを回復させると、血管内の不健康な細胞増殖と瘢痕形成が劇的に減少した。逆に平滑筋細胞からCARMNを除去すると、損傷反応が増幅され、血液が流れる余地がほとんどなくなった。

CARMNレベルは、初期の疾患リスクを決定するのに役立つかもしれない、と研究チームは述べている。高脂肪、高コレステロールの西洋型食生活が心血管系疾患に寄与することが知られているが、研究チームはそれがCARMNのレベルを低下させるといういくつかのエビデンスを持っているという。

研究チームでは、今後、運動がCARMNレベルを高めるか、加齢がそれを減少させるかなどについても検討したいとしている。

出典は『循環器』。 (論文要旨)      
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