2022.1.13
, EurekAlert より: 
がんは、細胞増殖に対する通常の制約を打ち破る遺伝的変化によって引き起こされる。肥満はがんを発症するリスクを高めることが知られているが、その理由は不明だった。ノルウェー・ベルゲン大学の研究者らは、肥満に関連する脂質(パルミチン酸)が、乳がん細胞をより攻撃的にし実際の腫瘍を形成する可能性があることを実証したという。
研究者らは、普通体重の体から過体重または肥満の体へとがん細胞を取り巻く環境の変化が、乳がん細胞を順応させることを発見した。
「これは、新しい遺伝子変異がない場合でも、肥満は腫瘍が形成されるリスクを高めることを意味します」と主任研究者のニルス・ハルバーグ准教授は述べている。
肥満は毎年約50万人の新しいがんの原因であり、肥満率が増加し続けるにつれてその数は増えると予想されている。
「これら2つの複雑な病気がどのように相互作用するかを科学的に分析することは、非常に興味深く、やりがいのあることです。特に、この新しい理解により、研究者は肥満のがん患者のための改善された治療法を設計することができるようになるでしょう」とハルバーグ准教授は附言している。
出典は『ネイチャーコミュニケーション』。 (論文要旨)
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