2021.12.24
, EurekAlert より:
食糧不安は、非アルコール性脂肪肝疾患または進行性肝疾患の患者にとって致命的であるかもしれない、という米国サザンカリフォルニア大学からの研究報告。
食糧不安は、米国で増大している公衆衛生上の懸念であり、米国農務省(USDA)によると、毎年3,500万人以上の米国人が食糧不安を経験しているという。経済的困難によりCOVID-19パンデミックの間に劇的に増加したと推定されている。
研究チームは、米国の国民健康・栄養調査(NHANES)の1999年から2014年までの20歳以上の34,000人以上のデータを解析した。約5,000人がアルコール性脂肪肝疾患を、約1,650人が進行性肝疾患に罹患していた。
USDAの食糧安全保障調査データを使用して、食糧不安との関連を解析した結果、食糧不安は非アルコール性脂肪肝疾患または進行性肝疾患の成人患者の死亡リスクの高いことに関連していることがわかったという。
「安価で栄養価の低い食品は脂肪と炭水化物を多く含んでいる傾向があり、それが肥満、糖尿病、ひいては脂肪肝と進行性肝疾患につながる可能性があります」と筆頭著者のアニ・カーダシアン医師は述べている。
「食糧不安のある人は、食糧と医療の間で競合する要求を経験する可能性があり、これは、より専門的な治療を必要とする肝疾患患者にとって特に有害である可能性があります。」
カーダシアン医師は、慢性肝疾患において食事療法が果たす役割をよりよく理解するために、より多くの研究が行われることを望んでいるという。彼女はまた、胃腸科医と肝臓病専門医が慢性肝疾患患者の食糧不安をスクリーニングすることを検討し、見つかった場合は、患者に食糧援助プログラムまたは他の地域資源を紹介することを勧めている。
出典は『臨床胃腸病学と肝臓学』。 (論文要旨)
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