2021.12.22
, EurekAlert より:
炎症誘発性食品(例えば、単純糖質または飽和脂肪が豊富な食品)が多い食事を定期的に摂取することは、中高年期のフレイル発症のリスク増加と関連しているようだ、という米国マーカス加齢研究所などからの研究報告。
米国の地域在住高齢者の約6人に1人は、転倒、入院、死亡のリスクが高まる機能障害の深刻な状態であるフレイルを発症する。以前の研究では、特定の栄養素をフレイルまたは身体機能と関連付けていたが、個人の食事全体とそのフレイルへの影響を経時的に把握していなかったという。
この問題に対処するために、研究チームは、個人の食事の全体的な炎症可能性を反映した食事の炎症指数(E-DII)スコアを計算した。
研究チームは、フラミンガム心臓研究の比較的健康な1,701人の参加者を対象としてデータ解析した結果、炎症誘発性の食事が12年間のフレイルのリスク増加と関連していることを発見したという。E-DIIスコアが1ポイント高いと、12年間でフレイルになる確率が16%高くなった。最も炎症促進性の食事をした4分の1の者は、最も抗炎症性の食事をした4分の1の者に比べて、フレイルの発症の確率が2倍以上高かった。
「この研究では、食物繊維や抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、フラボノイドなど)などの栄養素を含む食品を定期的に食べることで、高齢者がフレイルになるのを防ぐことができることが示されました」と筆頭著者のコートニー・ミラー博士は述べている。
「より多くの研究が必要ですが、抗炎症食に基づくガイドラインは、フレイルおよび転倒や骨折などの関連症状を発症する可能性のある高齢者の割合を減らし、生活の質を改善するのに役立つ可能性があります。」
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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