2021.12.21
, EurekAlert より:
可塑剤として使われるフタル酸エステルは、血漿コレステロール値の上昇につながるようだ、という米国カリフォルニア大学リバーサイド校からのマウスを用いた動物実験の結果報告。
研究チームは、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)が、プレグナンX受容体(PXR)と呼ばれる受容体に強く結合することを発見した。DCHPは、腸内のPXRをオンにし、コレステロールの吸収と輸送に必要な重要なたんぱく質の発現を誘導するという。
広く使用されているフタル酸エステル系可塑剤であるDCHPは、 最近 、環境保護庁からリスク評価の優先度の高い物質に指定されている。だが、ヒトにおけるDCHPの悪影響についてはまだよくわかっていない。
「我々の知る限り、本研究は、マウスモデルにおける高コレステロールおよび心血管疾患のリスクに対するDCHP曝露の影響を示した最初のものである。この結果は、高コレステロール血症(脂質異常症)、および心血管疾患リスクに対するプラスチック関連化学物質の影響についての新しい洞察と理解を提供するものだ」と主任研究者の周長城教授はコメントしている。
出典は『環境健康展望』。 (論文要旨)
|