2021.12.17
, EurekAlert より:
コーヒーをたくさん飲むとアルツハイマー病を発症する可能性が低くなるかもしれない、という豪州エディスコーワン大学からの研究報告。
研究チームは、認知機能が正常な高齢者227名を対象に、自己申告による習慣的なコーヒー摂取量と10年以上にわたる認知機能低下の関係を解析した。
その結果、コーヒーの摂取量が多い高齢者は、認知機能の低下の可能性が低くなり、まりその開始が遅くなることが明らかになった。脳へのβ-アミロイドたんぱく質の蓄積が遅くなった。コーヒー摂取量と総灰白質、白質、または海馬の体積の委縮との間には関連はみられなかった。
研究チームによれば、カフェインはこの結果に関連しているが、予備調査からカフェインがアルツハイマー病を遅らせる唯一の原因ではないかもしれないという。カフェストール、カーウェオール、エイコサノイル-5-ヒドロキシトリプタミドなどの他のコーヒー成分もさまざまな研究で動物の認知障害に影響を与えることが示唆されている。
「アルツハイマー病の発症を遅らせることを目的とした生活習慣因子として、コーヒー摂取が推奨されるべきかどうかを評価する必要があるだろう」と研究者はコメントしている。
出典は『加齢神経科学の最前線』。 (論文要旨)
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