2021.12.6
, EurekAlert より:
マスク着用率が高い地域において、COVID-19様の症状を発症する人が減少したという。バングラデシュの約600の村・34万人あまりを対象とした大規模なランダム化比較試験の結果から。米・イエール大学の研究。
2020年11月から2021年4月まで実施されたこの試験の結果から、マスクの配布と着用奨励がCOVID-19発症を減らすためので効果的な方法であることが示唆された。
ワクチンは長期的にSARS-CoV-2の蔓延を抑制する可能性があるものの、低中所得国に住む大部分の人が2021年末までにワクチンを利用できる可能性は低い。したがって、COVID-19と戦う効果的な手段が、一次的な政策上、重要になってくる。
本研究では、バングラデシュ農村部の600の村で342,183人の成人を対象としたクラスター・ランダム化比較試験を実施し、(a)コミュニティ全体のマスク着用を増やす戦略を特定し、(b)症候性SARS-CoV-2感染の変化を追跡する、という2つの目標を掲げた。
布製マスクやサージカルマスクなど、さまざまなタイプの色付きマスクが配布され、マスク着用のプロモーション活動が行われた。たとえば、村人にマスクを着用することの重要性についての情報を提供し、マスクを着用していない人に対してはマスクの着用促進スタッフが路上でマスク着用の意義について説明を行ったという。
マスク着用率は、介入が行われなかった村では平均13.3%にとどまったが、対面介入が導入された村では42.3%に増加した。後者の村では、特にリスクの高い人(高齢者)において、COVID-19様の症状の報告が減少していることが観察された。サージカルマスクが配布された村においては特に、症候性血清有病率の減少が大きかったという。
出典は『サイエンス』。 (論文要旨)
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