2021.11.15
, EurekAlert より:
70歳以上の高齢者の適度な飲酒は、心血管系疾患のリスクと全ての死因による死亡リスクの低下に関連しているようだ、という豪州モナッシュ大学からの研究報告。
研究チームは、高齢者のアスピリンと健康に関する大規模で長期的な多施設二国間研究であるASPREE臨床試験の参加者で主に70歳以上の豪州人と米国人である約18,000人のデータを解析した。
参加者は平均4.7年間追跡された。その結果、アルコールをまったく摂取しない場合と比較して、51-100、101-150、および >150g/週のアルコールを摂取する者は性別にかかわらず、心血管系事象のリスクが低いことがわかったという。
51-100g/週の摂取はまた、全ての死因による死亡リスクの低下とも関連していた。
筆頭著者であるヨハネス・ノイマン博士は、今回の研究参加者が、すべて最初は心血管系疾患やその他の重篤な疾患がなく健康であり、より幅広い範囲の高齢者よりも身体的および社会的に活動的であった可能性があるため、調査結果は慎重に解釈する必要があると述べている。
さらに、これまでのエビデンスは、過剰なアルコール摂取ががん、肝臓病または膵炎などの他の慢性疾患のリスクを高めることを示唆している。
要約すると、健康な高齢者のこのグループにおける適度な飲酒は、心血管系疾患または全ての死因による死亡リスクに対する有害影響はみられなかった。ノイマン博士によると、健康に対するアルコールの因果的な生物学的影響と、社会的な飲酒行動の潜在的な行動上の利点を評価するためには、さらなる研究が必要とのことである。
出典は『欧州予防的心臓病学雑誌』。 (論文要旨)
|