2021.11.11
, EurekAlert より:
特にヘルシーではない平均的な米国式食に、たっぷりのハーブとスパイスを加えただけで4週間後に血圧が下がったという。低下幅は大きいものではなかったが、健康的な食事とハーブ・スパイスを組み合わせた場合には、より効果的になる可能性があるという。米・ペンシルバニア州立大学の研究。
たっぷりのハーブやスパイスで料理を味付けすることは、食事をより美味しくするための優れた方法にとどまらない―新たな研究から、心臓の健康にも役立つ可能性が明らかになった。
著者のペンシルベニア州立大学のピーターセン氏らは、調査結果は人々に心臓の健康の改善を助ける簡単な方法を提供すると述べている。
「ハーブやスパイスを食べ物に加えることは、余分なナトリウム、砂糖、飽和脂肪を加えることなく風味付けする素晴らしい方法です」と共同研究者でエバン・ピュー大学のイーサートン教授。「さらに一歩進んで、果物や野菜など、自分にとって本当に良い食品にこれらの香辛料を加えることで、さらに多くの健康上の利点を得ることができる可能性があります。」
心臓病、脳卒中などの心血管疾患や2型糖尿病は、米国の主要な死因の1つであり続けている。健康の専門家が心臓の健康を改善のために目指す方法の1つは、血圧をモニターして改善することだ。
血圧を改善する方法の1つは、ナトリウム摂取量の制限だ。通常は、食事に加える塩分を減らす。ピーターセン教授によると、ナトリウムを加えずに風味を高めるためには、ハーブやスパイスでの調味が長い間奨励されてきたが、ハーブやスパイスに独自の健康上の利点があるかどうかについてはよくわかっていなかった。
本研究では、心臓病の危険因子を持つ71人対象に、ハーブ・スパイスの量を低用量(0.5g/日)・中用量(3.2g/日)・高用量(6.5g/日)と3段階に変えた食事をランダムな順序でそれぞれ4週間ずつ摂取してもらった。食事メニューはすべて平均的な米国式食とした。なお、各食事期間の開始時・終了時ごとに血液検査を行い、次の食事期間を始める前には2週間空けることにした。ハーブ・スパイスミックスの内容は、バジルやタイム、シナモン、ターメリックなど24種類だった。
結果、高用量のハーブやスパイスを含む食事を摂取した期間後に、中用量の食事期間後よりも収縮期血圧が低くなり、低用量の食事期間後に比べて拡張血圧が低下していたという。
今回の結果は、特に心臓の健康維持を目的にしたメニューではなく、加えたハーブの量だけが異なる食事によるものであることが注目点だ。
イーサートン教授は「参加者が研究を通して平均的なアメリカの食事を摂取したことは本当に重要だと思います。ナトリウムを減らしたり、果物や野菜を増やしたわけでもなく、ただハーブやスパイスを加えただけです」などとし、健康的な食事にハーブやスパイスを加えた場合にどれほどの効果が得られるのかを確かめたいとしている。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
|