2021.11.10
, EurekAlert より:
全粒穀物食品の摂取量の増加は、フィンランドでの2型糖尿病の発症率と治療費用を大幅に削減する可能性があるようだ、という東フィンランド大学などからの研究報告。
「我々の研究によると、毎日の食事の一部としてすでに1サービングの全粒穀物を摂取している人は、全粒穀物食品を食べない人と比較して、人口レベルで2型糖尿病の発生率が低下し、その結果、糖尿病に関連する直接的なコストが減少する。今後10年間で、社会全体で削減される推定額は、毎日の食事に含まれる全粒穀物食品の推定割合に応じて、現在の価値で3億(-3.3%)からほぼ10億(-12.2%)ユーロになる。個人レベルではこれはより健康的に生きる年数の延長を意味する」と主任研究者のヤンネ・マルチカイネン教授は述べている。
2型糖尿病は、フィンランドと世界の両方で最も急速に成長している慢性疾患の1つである。体重管理をサポートする健康的な栄養は、2型糖尿病を予防するための鍵だ。全粒穀物食品の毎日の摂取と糖尿病のリスクの低下との関連は、多くの研究で実証されている。
「栄養に関する推奨事項によると、個人のエネルギー要件に応じて、少なくとも3-6サービングの全粒穀物食品を毎日食べる必要がある。フィンランド人の3分の1は、毎日1回も全粒穀物を食べておらず、3分の2は食物繊維の摂取量が少な過ぎる」と共同研究者でフィンランド保健福祉研究所のヤアナ・リンドストローム研究マネージャーは述べている。
研究チームは、フィンヘルス研究などの全国的な追跡調査の結果を利用して、2型糖尿病の予防に対する全粒穀物食品の摂取量の増加による健康と経済への影響を評価した。
「2型糖尿病の発生率とその治療費に関する人口レベルのデータ、および全粒穀物食品の摂取が2型糖尿病の発生率をどのように減少させるかについての公表された証拠を組み合わせることにより、我々は、社会的観点と個人的観点の両方からの潜在的な健康と経済的利益について評価することができた」とマルチカイネン教授は述べている。
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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