2021.10.29
, EurekAlert より:
米国人の超加工食品摂取量は、過去20年の間に、人口のほぼすべてのセグメントで増加しているようだ、という米国ニューヨーク大学からの研究報告。
研究チームは、米国国民健康・栄養調査の2001年から2018年までの約41,000人の成人データを解析した。食品を以下の4群に分類して、その摂取量を計算した。
1)野菜、果物、穀物、肉、乳製品など最小限の加工しかされていない食品(ホールフード) 2)オリーブ油、バター、砂糖、塩などの加工食材 3)チーズ、魚の缶詰、豆の缶詰などの加工食品 4)冷凍ピザ、ソーダ、ファストフード、スイーツ、塩味スナック、缶詰スープ、ほとんどの朝食用シリアルなどの超加工食品
その結果、超加工食品の摂取量はカロリー比で、2001-2002年の53.5%から2017-2018年の57%に増加した。対照的に、ホールフードの摂取量はカロリー比で32.7%から27.4%に減少した。これは主に、肉や乳製品の摂取量が少なくなったためである。
収入に関係なくほぼすべての人口集団で超加工食品の摂取量が増加したが、ヒスパニック系成人は、非ヒスパニック系白人および黒人に比べて超加工食品の摂取が有意に低下しホールフードの摂取が増加した。大卒者のグループも超加工食品の摂取が有意に低下した。
特記すべきは、60歳以上の人々で超加工食品の摂取が最も急激に増加したことである。彼らは調査開始時には、最も超加工食品の摂取が最も少なくホールフードの摂取が最も多かったのが、調査終了時には最も超加工食品を摂取し最もホールフードを摂取しない集団になっていた。
米国人の超加工食品の摂取量が増加し、これらの食品を慢性疾患に関連付ける証拠が増えていることを考えると、行政は、食事ガイドラインの改訂、マーケティングの制限、包装表示の変更、ソーダその他超加工食品に対する課税などの方策を講じる必要があると共に、ホールフードを、特に社会的弱者にも、入手しやすいものにしていくことが必要だと、研究チームはまとめている。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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