2021.10.26
, EurekAlert より:
粉ミルクの臨床試験はバイアスのリスクが高く、ほとんどの場合好ましい結論を報告し透明性が欠如しており、調査結果は選択的に報告されているようだ、という英国インペリアルカレッジロンドンなどからのレビュー報告。
研究チームは、2製品以上の粉ミルクを比較検討した3歳未満の23,757名を含む125件の臨床試験を分析した。主要な測定指標は、体重増加(36%)、腸の健康(26%)、栄養素吸収(10%)、行動(6%)、アレルギー(6%)などであった。
解析の結果、臨床試験のわずか14%(17件)だけが、粉ミルクの会社とは独立した機関によって実施されており、21%(26件)だけが明確な目的と主要アウトカムをもって前向きに登録されており、9%(11件)だけが、一般に閲覧できるプロトコルを使用していた。
ほとんど(80%)の臨床試験が、分析からの参加者の不適切な除外、および選択的報告(望ましくない所見を控える)のために、主要な結果にバイアスがかかるリスクが高かった。
臨床試験の90%以上が、良好な結論を導き出していた。
「粉ミルク業界は粉ミルク臨床試験に密接に関与しており、調査結果はほとんどの場合好ましいものとして報告されており、試験の目的や結果の報告についてはほとんど透明性がない」と研究チームは述べている。
「我々の調査結果は、参加者を危害から適切に保護し、消費者を誤解を招く情報から保護するために、粉ミルク試験の実施と報告を大幅に変更する必要性を裏付けている」と研究チームは結論付けている。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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