2021.10.22
, EurekAlert より:
植物油などに含まれるオメガ-3系脂肪酸であるα-リノレン酸(ALA)の豊富な食事は、全死因による死亡、特に心血管系疾患による死亡リスクの低下に関連しているようだ、というイランのテヘラン医科学大学などからの研究報告。
研究チームは、ALAと死亡リスクの関係について検討した1991年から2021年の41件の先行研究をメタ分析した。これらの研究には、2-32年間追跡された18-98歳の約12万人の参加者のデータが含まれていた。
年齢、体重、喫煙状況、飲酒、身体活動などの種々の因子を調整した結果、ALAの摂取量が多いことは、全死因、心血管疾患、冠動脈疾患による死亡リスクがそれぞれ10%、8%、11%低いことに関連していることが明らかになった。
けれども、ALAの摂取量が多いことは、がんによる死亡リスクのわずかに高いことに関連していた。
本研究は、観察研究であるため、堅牢な因果関係を確立することはできない。また、未知の要因や食物(栄養素)摂取量の測定誤差が結果に影響を及ぼした可能性を排除することもできない、と研究者は述べている。
「有益な効果にもかかわらず、ALAの摂取はがんによる死亡のリスクをわずかに増加させる可能性があるため、摂取の推奨は慎重に行う必要がある」と研究チームは結論付けた。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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