2021.10.20
, EurekAlert より:
野菜・果物が豊富でバランスの良い食事を子どもに食べさせるには、「料理の半分は野菜・果物」を心がけると自然にうまくいくかもしれないという。米・ペンシルベニア州立大学の研究。
米国疾病管理予防センター(CDC)によると、国内の子どものうち果物を十分に食べていない者は60%、野菜を十分に食べていない者は93%にものぼるという。子どもたちの野菜・果物摂取量を増やすためには「戦略」が必要だ。
今回、研究グループは保育所に通う3-5歳の子ども53人を対象に、給食・おやつで提供する食事内容を変化させることで食品の摂取量にどう影響するかを調べた。1つ目の方法は、提供する野菜・果物の量を単純に50%増量するもの(増量法)、2つ目は、野菜・果物の提供量を50%増やした分、それ以外の料理を同じ重量だけ減らす(置き換え法)というものだ。なお、増量した野菜・果物にはエネルギー密度の低いものを使用した。
2つの方法をそれぞれ5日間実施し、通常メニューの摂食状況と比較した。すると、「増量法」では野菜の摂取量が24%増、果物は33%増となり、「置き換え法」では野菜の摂取量が41%増、果物は38%増となった。
なお、1つ目の方法は摂取エネルギーが5%増加し、2つ目の方法では6%減少したという。いずれの方法でも通常より野菜・果物の摂取量の増加がみられるものの、エネルギーの摂り過ぎが気になる場合には、単純な増量よりも、野菜・果物と他の食品を置き換える方が良い選択だろうとのことだ。
とはいえ、今回の研究で子どもたちのほとんどは、果物の推奨量を満たすことに成功したが、野菜の推奨量には届かなかったという。摂取量を増やす方法として、保護者が他にできる工夫にはどんなものがあるだろうか。
研究者のロールズ教授は「食事のはじめや、子どもがお腹の空いているときのおやつとして果物・野菜を出したり、料理に混ぜ込んだりすることで摂取量を増やすことができるでしょう。たとえば、マカロニ&チーズのソースにカリフラワーやかぼちゃを混ぜたり、果物のピューレをブラウニーやケーキミックスに加えるのです。美味しさを損なうことなく、子どもたちは野菜・果物をもっと食べることでしょう」などと話している。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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