2021.10.14
, EurekAlert より:
人工甘味料の一部は、腸内細菌同士のコミュニケーション・システムを著しく阻害することが示唆された。長期的な摂取により、健康上の問題となるおそれを指摘している。イスラエル・ネゲブベングリオン大学の研究。
人工甘味料は、多くの食品や飲料製造において砂糖の代替品になりつつある。しかし、それらの長期的な健康上の利点は依然としてはっきりしていない。
ネゲブベングリオン大学のクシュマロ教授らの研究グループが、米国食品医薬品局(FDA)の承認する6つの人工甘味料を調べたところ、細菌間のコミュニケーションを妨げることを発見した。これらはいずれも殺菌作用はないものの、6つのうち3つはコミュニケーションを著しく阻害したという。研究者らはそれが消化器疾患と不快感につながる可能性があるとの説を立てている。
主任研究者のゴルバーグ博士は「細菌がクオラム・センシング(と呼ばれる分子システム)を使用して相互に通信するという事実は、私たちの理解に革命をもたらし、より明確な答えを提供することを可能にします。人工甘味料はそのコミュニケーションを混乱させるのです。これは、人工甘味料が長期的には問題になる可能性があることを示しています」としている。
今回検証した6つの人工甘味料(アスパルテーム、サッカリン、スクラロース、アセスルファムカリウム(Ace-K)、アドバンテーム、およびネオテーム)のうち、アスパルテーム、スクラロース、サッカリンの3つは、細菌のコミュニケーションを著しく阻害することがわかったという。
出典は『国際分子科学雑誌』。 (論文要旨)
|