2021.10.13
, EurekAlert より:
偏食とその人の性質との関連についての調査から、偏食だと自覚している人は社交不安のレベルが高いことなどが明らかになった。米・ボウリンググリーン州立大学の研究。
この研究では、食べ物の好き嫌いの激しさとその人の性質との関連について、大学生を対象に調査を行っている。「自分は偏食だ」と認識している人は、そうでない人に比べて食物繊維や野菜の摂取量が大幅に少なく、社交不安のレベルが高い傾向のあることがわかったという。社交不安とは、日常行動の中で他人に評価されることに対し恐れを抱くことをいう。
「偏食は概して、身近な食べ物と新しい食べ物の両方を拒絶することとして定義されます。これは子供の頃にはよくあることです。しかし、これが青年期から成人期まで続く場合があります。この研究の主な目的は、偏食と食事摂取との関係、および社交不安、生活の質、好き嫌いの激しさによる苦痛など、これに関連する可能性のある心理社会的結果のいくつかを調べることでした」などと、ボウリンググリーン州立大学のダイヤル博士は述べている。
この研究の対象者は中西部の大学生488人で、うち190人(約40%)が偏食であった。さらにこのうちほとんど(65%)は、食べられる食品が10種未満だと答えた。偏食は、社交不安に加え、総体的および状況的な苦痛と生活の質の低下に関連していた。偏食の人の課題として、食べられる食べ物を見つけること、食べないこと、一緒に食事をしている他の人、極端な食事計画などがあった。
興味深いことに、参加者らが伝えた「偏食による利点」のいくつかは、先に挙げられた課題と共通点があった。たとえば、食べられる食品を見つけることの難しさは、食べ物やレストラン選びを気軽に楽しむのとは反対のものだ。しかし参加者らは、レストランでの食事を課題でありながら利点でもあると見なしていた。これらの定性的結果は、成人期の偏食が多面的で複雑な現象であり、報告された課題と利点の変動が年齢、性別、社会的支援などの変数に依存する可能性があることを示唆している。
「概してこの研究は、若年成人における偏食の結果にもう少し光を当て、将来の研究において偏食が他の摂食行動とどのように関連しているかを特定するのに役立つかもしれません」とダイヤル博士は話している。
出典は『栄養教育行動雑誌』。 (論文要旨)
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