2021.10.12
, EurekAlert より:
ストレスを管理するための新しい方法を学ぶことは、より健康的な生活習慣とより良い幸福につながる可能性があるようだ、という英国リーズ大学からのレビュー報告。
心配や反芻(ぐるぐる思考)に対処するための戦略を開発して実践した人々は、よりよい睡眠、より少ないアルコール、より健康的な食事をしていることが、世界中の36件の研究の分析から明らかになったという。
反芻が、過去に遭遇したストレッサーについて絶えず考えることであるのに対し、心配はしばしば恐れられている将来の出来事に関係している。どちらもストレスに対する一般的な対処反応である。
研究チームは、これらの反応を減らすことが身体の健康と健康に関する行動を改善できるかどうかを明らかにしたかったという。
「この新研究は、健康という文脈における心配と反芻を減少させる最も効果的な方法の実験的エビデンスを初めて統合したものである」と筆頭研究者のデーン・マカリック博士は述べている。
「本レビューは、ストレスと有害健康アウトカムのリンクについての新鮮なエビデンスを提供し、スイッチを切って心配を管理する時間の発見の重要性に光を当てている。」
ストレスは身体の健康に影響を与えることが知られており、血圧、心拍数、心血管活動を高め、免疫系を低下させ、ホルモンレベルに影響を与え、痛みや吐き気などの身体的症状を引き起こす可能性がある。
研究チームは、36の異なる研究にわたる5,000人の参加者からのデータを使用して、心配と反芻に対する心理的介入が、ある期間にわたって精神的および肉体的な健康と健康行動にどのように影響したかを調べた。
介入には以下のようなものが含まれていた: ●心理的分離:ストレスを引き起こす状況からのスイッチオフ ●行動計画:心配事を割り当てられた時間まで延期するなど ●ストレス管理 ●マインドフルネスとリラクゼーション ●対話療法:認知行動療法(CBT)とアクセプタンス&コミットメント療法 ●疼痛管理
解析の結果、疼痛管理戦略を除いて、すべての介入タイプが健康行動に有意なプラスの効果をもたらしたことが示されたという。
研究チームは、特にヘルスケアの専門家によって監督された介入のほうがより大きな効果を得られることも発見した。行動計画、心理的分離、およびCBTは心配に有意な効果をもち、一方、マインドフルネス、心理的分離、CBT、および疼痛管理は、反芻に有意な結果を及ぼした。
心配と反芻の低下は、健康行動の改善と関連していたという。またサブ集団における効果の違いは見られなかったことから、これらの手法は多くの人々で有効であることが示唆された。
「我々のデータは、心配や反芻を減らすことで、睡眠衛生やアルコール依存症などのさまざまな健康行動に永続的な影響を与える可能性のあるメンタルヘルスのケア方法があることを示唆している」とマカリック博士はコメントしている。
出典は『健康心理学』。 (論文要旨)
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