2021.10.7
, EurekAlert より:
低炭水化物食は、血中脂質プロファイルを改善して、心血管代謝リスクを改善するかもしれない、という米国ボストン小児病院からの研究報告。
研究チームは、低カロリー食で初期体重の10-14%を減量した肥満者164名(70%が女性)を対象に、ランダムに以下の3群に分け、5か月間の介入を実施した。(1)低炭水化物食(20%炭水化物、60%脂肪、20%たんぱく質)(2)中炭水化物食(40%炭水化物、40%脂肪、20%たんぱく質)(3)高炭水化物食(60%炭水化物、20%脂肪、20%たんぱく質)。
その結果、高炭水化物、低脂肪食と比較して、低炭水化物食は、心血管系疾患とインスリン抵抗性に関連する種々の血中脂質プロファイルを改善した。また脂肪細胞が賛成するアディポネクチンを増加させ、インスリン感受性を促進し、アテローム性動脈硬化から保護した。
特に以前は食事によって影響されないと考えられていた、動脈硬化のリスク因子であるリポたんぱく質(a)について、中炭水化物食で2%減少、高炭水化物食では0.2%増加したのに対し、低炭水化物食は、平均15%減少させたという。
すべての参加者は、カフェテリアで食べたり、持ち帰ったりできる、完全に準備されたカスタマイズされた食事を受け取った。本プロトコルにおいては、人々に栄養ガイドラインを与えるだけの他の多くの研究とは異なって、参加者らがダイエット順守することを確実にした。
「我々は、各参加者のカロリーニーズに合わせて、10万食以上の食事を提供する業務用フードサービスを利用した」と筆頭著者のカーラ・エベリング博士は言う。「食事は、参加者を5か月間同じ体重に保つように設計されていたため、この研究の結果はすべて減量とは無関係である。」
今回の低炭水化物食は、いわゆるケトン食と呼ばれる超低炭水化物食(5%炭水化物)ではないことに注意が必要であるという。
「我々が研究した制限の少ない低炭水化物食は実用的なものだ。そこには果物、でんぷん質のない野菜、豆、少量の穀物を摂取するだけの余裕が残されている」と主任研究者で医師のデヴィッド・ルードヴィヒ博士はコメントしている。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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