2021.10.6
, EurekAlert より:
有害な化学物質が母乳育児を時期尚早にやめる原因となる可能性があるようだ、という南デンマーク大学からの研究報告。
今回の研究によると、体内のPFASのレベルが高い女性は、母乳育児を早期に停止する可能性が20%高い可能性があるという。
パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS) は、調理器具、カーペット、繊維などの一般的な製品の油や撥水剤およびコーティングとして使用される合成の化合物である。PFASは、環境に放出されても分解せず、時間の経過とともに蓄積し続ける。PFASは、妊娠の結果、思春期のタイミング、および生殖の健康の他の側面に影響を与える可能性があるといわれている。
「地球上のほぼすべての人間がPFASにさらされているため、私たちの調査結果は重要である。これらの合成化合物は我々の体に蓄積し、生殖機能に悪影響を及ぼす」と筆頭著者で南デンマーク大学助教授のクララ・アマリー・ゲイド・ティンマーマン博士は述べている。
研究者らは、オーデンセ小児コホートの最大1,286人の妊婦の血液からPFASおよびプロラクチン濃度を分析した。女性は、産後3か月と18か月に、毎週のテキストメッセージまたはアンケートで母乳育児の期間に関する情報を提供した。
解析の結果、研究者らは、体内のPFASのレベルが高い女性は、母乳育児を早期に停止する可能性が20%高いことを発見した。
「母乳育児は子供と母親の両方の健康を促進するために重要なので、母乳育児能力に対するPFASの悪影響は、長期的な健康への影響をもたらす可能性がある」とティンマーマン博士はコメントしている。
出典は『臨床内分泌学・代謝雑誌』。 (論文要旨)
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