2021.10.4
, EurekAlert より:
治療抵抗性高血圧の人が、DASH食と有酸素運動によって、血圧を下げることに成功した、という米国デューク大学からの研究報告。
本研究(TRIUMPH)は、抵抗性高血圧の人々における生活習慣の変更の影響を評価した最初の研究であるという。研究チームは、定期的な有酸素運動、DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食の採用、塩分の消費量の削減、体重の減少などの行動の変化が、抵抗性高血圧の人々の血圧を大幅に下げ、心血管の健康を改善できることを発見した。DASH食は、果物、野菜、低脂肪乳製品が豊富で、塩分が制限され、米国心臓協会の栄養に関する推奨事項に沿っている。
研究チームは、治療抵抗性高血圧患者140名(平均年齢63歳、女性48%)を対象に、ランダムに2群に分け、4か月間の介入試験を実施した。90名は、週3回の集中的に監視された心臓リハビリテーション環境下で、毎週食事カウンセリングと運動トレーニングを受けた。残りの50名は、1回の健康教育セッションを受け、自習用に運動、減量、栄養について書かれたガイドラインを受け取った。
その結果、自習群では収縮期血圧が7ポイント低下したが、監視プログラム群では、約12ポイントの低下が観察されたという。典型的な1日における24時間連続血圧測定では、監視プログラム群では7ポイントの血圧低下が観察されたが、自習群では血圧変化は観察されなかった。
監視プログラム群では、血圧以外の心臓のリスク指標にもより大きな改善が観察されたという。
「我々の研究結果は、抵抗性高血圧の人々の生活習慣の変更が、体重を減らし、身体活動を増やすのに役立ち、その結果、血圧を下げ、心臓発作や脳卒中のリスクを減らす可能性があることを示している」と主任研究者のジェームズ・A・ブルーメンタール教授はコメントしている。
「一部の人は自ら生活習慣を変えられるが、心臓リハビリプログラムで学際的なチームによって実施される監督された運動と食事の構造化プログラムは、おそらくより効果的であろう。」
出典は『循環器』。 (論文要旨)
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