2021.9.15
, EurekAlert より:
日々の立ち時間を増やすことで、慢性疾患の予防に役立つ可能性があるようだ。様々な理由で運動習慣を持つのが難しい、という人には朗報? フィンランド・トゥルク大学などの研究。
2型糖尿病は、世界中で最も一般的な生活習慣病の1つであり、その発症の前には通常、インスリン感受性の低下、つまりインスリン抵抗性がある。これは、体がインスリンに正常に反応せず、血糖値が上昇する状態を指す。
生活習慣はインスリン抵抗性と2型糖尿病の発症に強い影響を及ぼし、定期的な身体活動がこれらの問題の予防に重要な役割を果たすことが知られている。しかしこれまで、座りがちな行動、座位時間の中断、およびインスリン抵抗性に対する立位の影響についてはほとんどわかっていなかった。
この研究では、2型糖尿病と心血管疾患を発症するリスクが高い非活動的な労働年齢の成人におけるインスリン抵抗性と、座りがちな行動、身体活動およびフィットネスとの関連を調査した。結果、立っていることは、日々の身体活動量や座位時間、フィットネス、または過体重とは関係なく、インスリン感受性の向上に関連していることがわかった。
この関連は、これまでにない知見である。身体活動の推奨事項を満たしていない人の場合は特に、日々の座位時間の一部を立位時間に置き換えることをさらにお勧めする、とトゥルク大学のガースウェイト氏は述べている。
この研究はまた、代謝の健康に対する健康的な体組成の重要性を強調している。結果は、体脂肪率の増加が、身体活動、心肺機能、または座っている時間よりもインスリン感受性の観点からより重要な要因であることを示している。一方、立っていることは、体組成に関係なく独立してインスリン感受性と関連していた。
「定期的な運動は健康に有益であることがよく知られています。身体活動、フィットネス、座りがちな行動もインスリン代謝に関連しているようですが、間接的には、体組成への影響を経ているのでは」などとガースウェイト氏は説明している。
出典は『スポーツの科学と医学雑誌』。 (論文要旨)
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