2021.9.14
, EurekAlert より:
少なくとも1日7千歩のウォーキングで中年世代のすべての死因による早死リスクが50-70%低下するかもしれない、という米国マサチューセッツ大学からの研究報告。1万歩以上歩いても更なるリスク低下は見られなかったという。
しばしばアドバイスされる1日1万歩は、科学的に確立されたガイドラインではなく、日本の歩数計の数十年前のマーケティングキャンペーンの一環として登場したものである、と筆頭著者のアマンダ・パルチ助教授は述べている。
研究チームは、1985年に開始され現在も進行中の『若年成人における冠状動脈リスクの発生』(CARDIA)研究のデータを使用した。2005年または2006年に38歳から50歳までの約2,100人の参加者が加速度計を着用して歩数を記録した。その後、約11年間追跡調査し、その結果のデータを2020年と2021年に分析した。
参加者は、低歩数者(7,000歩未満)、中歩数者(7,000-9,999歩)、高歩数者(10,000歩以上)の3群に分けて比較された。
「歩数が増えるにつれて、死亡率の段階的なリスクの減少が見られる」とパルチ助教授は言う。「7千歩から1万歩の間に実質的な健康効果が存在したが、1万歩以上での追加の効果は観察されなかった。」
「1日4千歩の人が5千歩にするのは意味がある」とパルチ助教授はさらに言う。「そして5千から6千の場合、全死因による死亡率は最大1万歩まで、段階的なリスク低下がみられる。」
パルチ助教授は、1日あたりの歩数が健康に与える影響と、さまざまなライフステージでさまざまな方法でウォーキングがどのように役立つかについて研究を続けたいと考えているという。
「ここでは、全ての死因による死亡という1つの結果だけを調べた。あなたの興味のある結果に応じて、関係は異なって見えるかもしれない」とパルチ助教授はコメントしている。
出典は『JAMAネットワークオープン』。 (論文要旨)
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