2021.9.13
, EurekAlert より:
鉄分のサプリメントは、貧血を改善するが認知機能を改善しなかった、というバングラデシュの子供3,300人を対象とした豪州ウォルターアンドイライザホール医学研究所からのランダム化比較試験の結果報告。
研究チームは、生後8か月の子供たちに鉄ドロップと家庭用強化パケット(複合微量栄養素粉末)を供給した。
その結果、子供の貧血は改善されたが、認知機能、言語能力、運動能力、行動、身長、体重のすべてにおいて、改善がみられなかったという。
乳幼児の貧血は、健康状態の悪化や発育の遅れと関連していると長い間考えられてきた。それが、子供への鉄分供給という普遍的な栄養政策につながったわけだが、今回の研究では、それが当てはまらないことが示された。
それだけでなく、「鉄サプリを摂取する子供たちは、下痢のために実際に診療所への受診が増えた可能性があり、鉄の介入は良いことよりも害を及ぼしている可能性がある」と研究者のひとりは述べている。
「この研究に基づいて、これらの介入の使用を慎重に再検討する必要があるだろう」と研究者はコメントしている。
出典は『ニューイングランド医学雑誌』。 (論文要旨)
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