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[栄養]  嗅覚がバランスの取れた食生活のカギ?
2021.9.8 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

ヒトは直前に食べた食品によって、特定の食品の匂いに敏感でなくなるようだ、という米国ノースウェスタン大学からの研究報告。

誰でも、角のパン屋の前を通り過ぎた時、店先に漂うスイーツの甘い香りに心惹かれた経験があるだろう。だが、直前に何を食べたかによって、それほど魅力的ではなくなる可能性もあるようだ。たとえば、散歩の前にケーキを食べていた場合には、スイーツの甘い香りに惑わされる可能性は低くなるという。

研究チームは、ヒトの嗅覚による意思決定を評価するために、食品と食品以外の匂いの混合物(シナモンロールと杉、ピザと松)を含む新しい行動タスクを開発した。

参加者(30名)は、食品の匂いの1つに一致する食事を摂った前後にこのタスクを完了し、空腹状態と満腹状態で食品に一致する匂いと一致しない匂いの知覚を比較できるようにした。

参加者は、満腹状態では、匂いが一致している食品を、優勢な食品として知覚する可能性が低いことがわかったという。匂いが一致していない食品についてはそうでなかった。

つまり、シナモンロールまたはピザのいずれかを食べたばかりの参加者は、「食事に合った」匂いを知覚する可能性は低いが、一致しない匂いを知覚する可能性は低くないことがわかったという。

研究チームはさらに、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)データから、匂いを処理する脳の一部の活動が同様の方法で変化したことを明らかにした。

これらの発見は、匂いが我々の食べるものを調節するのと同じように、我々の食べるものが匂いの感覚を調節することを示しているという。

「我々の祖先が食べ物を見つけようとして森を歩き回っているとき、彼らはベリーを見つけて食べ、するともうベリーの匂いにそれほど敏感ではなくなる」と主任及責任研究者のトルステン・カーント助教授は言う。「けれども、たぶん彼らはまだキノコの匂いには敏感なのである。理論的にはそれは食物と栄養素の摂取の多様性を促進するのに役立つ可能性がある。」

カーント助教授は、我々はもう日々の意思決定において狩猟採取者のようにはふるまわないけれども、我々の鼻と探し物、そして鼻が検出する物の間の関係は依然としてきわめて重要かもしれない、と語っている。もし鼻が正しく機能しなければ、たとえばフィードバックループがおかしくなったら、摂食障害や肥満のような問題につながる可能性がある。それは睡眠障害にリンクするかもしれない。

研究チームは、脳画像処理、行動テスト、非侵襲的脳刺激を使用して、特に肥満、中毒、認知症などの精神状態に関連する嗅覚が学習と食欲行動をどのように導くかを研究している。これまでの研究でチームは、睡眠不足の参加者の匂いに対する脳の反応が変化することを発見し、次に、食物摂取が食物の匂いを知覚する能力を変化させるかどうか、そしてどのように変化させるかを知りたいと考えたのだという。

筆頭著者のローラ・シャナハン博士によれば、さまざまな要因によって匂いの知覚がどのように変化するかについての研究はほとんど行われていない。「匂いの心地よさに関するいくつかの研究がある」とシャナハン博士は述べている。「けれども、我々の研究は、さまざまな状態でこれらの匂いにどれだけ敏感であるかに焦点が当てられている。」

出典は『プロス生物学』。 (論文要旨)      
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