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[栄養]  低ナトリウム塩代替品は脳卒中を防ぐ
2021.9.1 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

低ナトリウム塩代替品を使うことで高血圧あるいは脳卒中の既往のある患者の脳卒中リスクが下がるかもしれない、という豪州ジョージ世界健康研究所などからの研究報告。

ナトリウム摂取量の増加とカリウム摂取量の低下はどちらも、高血圧と心血管疾患および早死のリスクの増加に関連している。通常の塩に含まれる塩化ナトリウムの一部を塩化カリウムに置き換える代替塩は、血圧を下げることが示されているが、心臓病、脳卒中、および死亡に対するそれらの影響は不明だったという。さらに、慢性腎臓病の人々に高カリウム血症を引き起こし、不整脈や心臓突然死につながることが懸念されていた。

「塩代替品と脳卒中研究」(SSaSS)は、減塩代替品と通常塩の脳卒中、心血管系イベント、死亡率、高カリウム血症に及ぼす影響を比較した。SSaSSは、オープン、クラスタランダム化臨床試験で参加者は2014年4月から2015年1月に集められた。参加者は、脳卒中の既往があるか60歳以上で血圧コントロールが良好でない者であった。

試験は、中国の5つの州の農村部にある600村で実施された。各村から約35名、計20,995名を対象とした。参加者は、村単位でクラスタランダム化され、1:1の割合で塩代替品群(介入群)と通常塩の使用を続ける群(対照群)に分けられた。

介入群では、無料の塩代替品(75%塩化ナトリウム、25%塩化カリウム)が通常の塩の代わりに与えられ、全ての調理、シーズニング、食品保存に使用するようアドバイスされた。参加者はまた、減塩効果を高めるために塩の使用を従来よりも控えめにするように奨励された。充分な塩代替品が供給された(1人あたり1日約20g)。対照群の村では、人々は従来通りの習慣を継続した。

参加者の平均年齢は65.4歳で、49.5%が女性だった。72.6%の者が脳卒中の既往があり、88.4%の者が高血圧の既往があった。

平均4.74年の追跡期間中に、3,000人以上が脳卒中を発症し、4,000人以上が死亡し、5,000人以上が主要心血管系イベントを発症した。

塩代替品使用群の脳卒中発症リスクは、通常塩使用群と比べて低下した(千人年あたり29.14対33.65、rate ratio(RR)0.86)。

二次アウトカムに関しては、主要心血管イベント(非致命的脳卒中、非致命的急性冠症候群、血管死)が塩代替物で減少した(千人年あたり49.09対56.29; RR 0.87)総死亡率も同様であった(千人年あたり39.27対44.61; RR 0.88)。

安全性に関しては、通常塩と比較して、塩代替品による高カリウム血症に起因する重篤な有害事象のリスクの増加はみられなかった(千人年あたり3.35対3.30; RR 1.04)。他のリスクも特定されなかった。

「塩代替品は、人々が食べる塩を変化させるための数少ない実用的方法の一つであるため、この試験結果は非常にエキサイティングである。重要なことは、代替品の製造は極めて単純で高価格ではないことだ。食品の調理や調理中に大量の塩を加えるのは、主に低所得で不利な立場にある人々である。これは、代替塩が心血管疾患に関連する健康の不平等を減らす可能性があることを意味している」と筆頭著者のブルース・ニール教授はコメントしている。

出典は『ニューイングランド医学雑誌』。 (論文要旨)      
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