2021.8.25
, EurekAlert より:
食事と運動の両方が海馬の神経新生に影響して、後の認知機能低下と認知症のリスクに影響を及ぼす可能性があるようだ、という英国キングスカレッジロンドンからの研究報告。
この調査では、認知機能低下と認知症の有無にかかわらず、参加者の血液が実験室での海馬の神経新生にどのように影響するか、食事と運動が重要な要素であるかどうかを調査したという。具体的には、65歳以上のフランス人成人418人の血液サンプルを、認知機能低下および認知症の診断の12年前に収集し、ヒト海馬幹細胞で検査した。さらに、各参加者の社会人口統計、生活習慣、および臨床データに関する情報が収集され、認知機能と認知症が12年間にわたって2-3年ごとに検査された。
その結果、研究チームは、診断の12年前に、認知機能低下とアルツハイマー病の両方が神経幹細胞死のレベルに関連していることを立証したという。チームはまた、運動、栄養、ビタミンD、カロテノイド、脂質レベルがすべて、細胞が死滅する速度に関連していることを発見した。さらに、運動と栄養は、認知機能低下に関与するカギとなる因子でもあった。特に、運動の減少と栄養不良の上昇は共に、将来の認知機能低下につながる細胞死を上昇させることを発見した。
「食事と運動が海馬の神経新生をどのように調節するかを完全に理解するには、間違いなくさらなる研究が必要だが、我々の発見は認知機能低下と認知症に対する効果的な早期予防戦略を示唆するものかもしれない」と筆頭研究者のアンドレア・デュ・プリーズ博士はコメントしている。
出典は『アルツハイマーと認知症』。 (論文要旨)
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