2021.8.4
, EurekAlert より:
定期的に散歩して屋外の新鮮な空気に触れることは、脳の構造と気分を改善するようだ、という独マックスプランク人類発達研究所などからの研究報告。
研究チームは、6か月の間定期的に、6人(男性1名)の健康な24-32歳の都市(ベルリン)居住者を対象に、磁気共鳴画像法(MRI)を使用して脳を280回以上スキャンした。研究の焦点は、スキャン前の過去24時間の自己申告による行動、特に屋外での行動との関連だった。また水分摂取、カフェイン飲料の摂取、屋外で費やした時間、身体活動についても尋ねた。さらに、季節、日照時間による違いも考慮された。
その結果、参加者が屋外で過ごした時間は、大脳皮質の右背外側前頭前野の灰白質と正の関係があることが示されたという。皮質のこの部分は、行動の計画と規制、および認知制御と呼ばれるものに関与している。さらに、多くの精神障害は、脳の前頭前野の灰白質の減少に関連していることが知られている。
種々の因子を調整後もこの関係は持続しており、屋外で過ごした時間は、他の因子に関係なく、脳にプラスの影響を及ぼしたことが明らかになった。
「我々の結果は、屋外で過ごすと脳の構造と気分が改善することを示している。これは集中力、作業記憶、精神全体にも影響を与える可能性がある。我々は、現在進行中の研究でこれを調査している」と研究者はコメントしている。
出典は『世界生物学的精神医学雑誌』。 (論文要旨)
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