2021.7.22
, EurekAlert より:
炭水化物は悪者にされることが多いが、実際に炭水化物の豊富な食品すべてが単純に悪いわけではなく、ネガティブな健康アウトカムに関連付けられる大量の添加糖や高グリセミックインデックス、あるいはネガティブな健康アウトカムに関連付けられる超加工食品に炭水化物の多いものが多いせいであり、還元主義的でないホリスティックな視点が必要かもしれない、という米国ミネソタ大学の研究者らによる視点欄記事。
植物性食品は、一般的にヒトの健康改善にリンクするものとして推奨されるが、炭水化物を多く含む食品は、しばしば悪者にされる。これは還元主義的な方法論が、炭水化物食品を栄養と食品成分のマトリックスとしてとらえることに失敗しているからだ、と著者らは述べている。
現在受け入れらている炭水化物のポジティブな側面は、植物性食品、全粒穀物、食物繊維といったキーワードに結び付けられており、ネガティブな側面は、添加糖、高グリセミックインデックスといったキーワードに結び付けられている。
より最近では、ネガティブな健康アウトカムが、超加工食品に関連付けられるが、それらはしばしばしば炭水化物を多く含んでいる。
だが、炭水化物食品、たとえば穀類や乳製品、は、改良されたり強化されたりして、結果的に、食物繊維、カリウム、ビタミンD、カルシウムなどの重要な栄養素を含んでもいる。
この視点記事で著者らは、食事ガイドラインや食品ラベルなどに使われている炭水化物の指標を分析した結果、受け入れられている標準化された炭水化物の質の指標には限界があることを発見し、追加の指標について提案している。
「これまで、『良いカーボ』や『悪いカーボ』という言葉が、過度に単純化されたある一面にのみ焦点を当てたグリセミックインデックスや食物繊維含量を用いて、一貫性なく食品全体に割り当てられてきた」と著者のひとりであるレベカ・シュルツは述べている。こうした特性は、パズルのピースではあっても、炭水化物の質を完全に反映したものではない。たとえば、グリセミックインデックスは単独の食品の指標としては有用だが、炭水化物を他の食品と一緒に食べる実際の食生活を反映していないし、食品全体の栄養成分あるいは環境影響を説明しない。」
著者らが提案する、炭水化物食品の質を評価するときに考えるべきいくつかの指標は以下の通り: ●全粒穀物、食物繊維、添加糖の含有量 ●食品中の、食物繊維に対する総炭水化物の、食物繊維に対する添加糖の割合 ●たんぱく質の質 ●加工の度合い ●食品の環境影響
出典は『栄養学の進歩』。 (論文要旨)
|