2021.7.21
, EurekAlert より:
幼い子供たちに十分な野菜を食べさせるのは難しいと思うかもしれないが、皿に野菜を追加するだけで子供たちはより多くの野菜を食べるようになる、という米国ペンシルベニア州立大学からの研究報告。
研究チームは、食事でトウモロコシとブロッコリーの量を60グラムから120グラムに倍増することで、子供たちが野菜を68%多く食べたことを発見した。しかし、バターと塩で野菜を味付けしても、消費には影響しなかったという。
米国農務省が設定した「米国人の食事ガイドライン」によると、子供に推奨される1日あたりの野菜の量は約1.5カップである。
「増加量は子供の1日の推奨摂取量の12%に相当する」と筆頭研究者で大学院生のハニム・ディクタス氏は述べている。「この戦略は、子供たちに推奨量の野菜を食べるさせたい親、保護者、教師にとって役立つかもしれない」
「子供たちにたくさんの野菜を提供することは重要だが、彼らが好きなものを提供することも重要だ。なぜならそれらが皿の上の他の食べ物と競争しなければならないからだ」と主任研究者のバーバラ・ロールズ教授は述べている。「親は、子供たちを徐々に新しい野菜にさらし、子供たちが楽しめる方法で料理し、さまざまな味や調味料を試して慣れ親しんでいくことで、それを容易ににすることができる。」
研究者らによると、米国の子供たちの大多数は、推奨される1日の量の野菜を食べていない。これは、子供たちが野菜を好まないことで説明できる。サービングサイズを増やせば食べる量が増えることはわかっている(「ポーションサイズ効果」と呼ばれる)が、子供たちは他の食品と比べて野菜がたくさん盛られていると、野菜を食べる量を減らす傾向がある。
本研究では、研究チームは、他の食品のポーションを同じに保ちながら野菜の量だけを増やすことが、子供たちの野菜の消費量を増やすのに役立つかどうかに興味を持っていた。チームはまた、野菜に軽いバターと塩を加えることが子供たちの嗜好性を高め、消費にも影響を与えるかどうかを検証したかったという。
本研究のために、研究チームは3歳から5歳までの67人の子供を募集した。週に1回、4週間、参加者は以下の4種類の野菜料理の1つと共に昼食を提供された:(1)通常サイズのプレーンコーンとブロッコリー、(2)通常サイズのバターと塩を加えたプレーンコーンとブロッコリー、(3)2倍サイズのプレーンコーンとブロッコリー、(4)2倍サイズのバターと塩を加えたプレーンコーンとブロッコリー。
毎食、野菜はフィッシュスティック、ライス、アップルソース、ミルクと一緒に出された。食事の前後に食物の重さを量り、消費量を測定した。
データ解析の結果、研究チームは、野菜の2倍盛りがより多くの摂取量と関連しているが、バターと塩の添加はそうではないことを発見した。子供たちはまた、味付けされたバージョンと味付けされていないバージョンの両方がほぼ同じように好きだと報告した。子供の約76%が野菜を「おいしい(yummy)」または「大丈夫(just ok)」と評価した。
「摂取量を増やすためにバターと塩が必要ないことに驚いたが、我々が提供した野菜はトウモロコシとブロッコリーで、子供たちにすでに馴染みがあり、好かれていたのかもしれない」とディクタス氏は述べている。「したがって、あまり馴染みのない野菜の場合、調味料の添加が摂取量を増やすのに役立つ可能性はある。」
出典は『食欲』。 (論文要旨)
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