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[病気]  超加工食品と関連、炎症性腸疾患リスク
2021.7.19 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

市販の菓子類や炭酸飲料、調理済み食品などといった超加工食品の摂取量が多い人ほど、炎症性腸疾患(IBD)のリスクが高くなるという。カナダ・マクマスター大学などの研究。

超加工食品とは、包装された焼き菓子やスナック、炭酸飲料や甘いシリアル、食品添加物の入った調理済み食品、再構成肉や水産加工品などの、高度に加工された食品をいい、これらは多くの場合、大量の砂糖や脂肪、塩分が含まれているもののビタミン類や食物繊維は不足している。

炎症性腸疾患(IBD)は先進国でより一般的にみられ、食事がその一因である可能性が考えられている一方、超加工食品の摂取とIBDを関連付けるデータはわずかである。

このことをさらに調査するため、国際研究チームは、前向き都市農村疫学(PURE)研究に参加していた、21の低・中・高所得国に住む35〜70歳の成人116,087人から得た詳細な食生活の情報を分析した。

PUREは、世界中のさまざまな国の慢性疾患に対する社会的影響の影響を調査する研究であり、参加者の登録期間は2003〜2016年、最低3年ごとに評価を行った。平均追跡期間9.7年の間に、クローン病または潰瘍性大腸炎を含むIBDを発症した人は467人だった。(クローン病で90人、潰瘍性大腸炎で377人)

潜在的に影響力のある要因を考慮した結果、超加工食品の摂取量が多い人ほど、IBDのリスクが高くなることが発見された。

たとえば、超加工食品の摂取量が1日1サービング未満の人と比較して、1日5サービング以上を摂取した人ではIBDのリスクが82%増加し、1日1〜4食の人ではリスクが67%増加することが明らかになったという。

なお、清涼飲料水、甘い加工食品、塩味のスナック、加工肉など、超加工食品のさまざまなサブグループは、それぞれIBDのリスクの高さと関連していた。

対照的に、白肉、赤肉、乳製品、でんぷん、果物、野菜、豆類の摂取はIBDとは関連していなかった。

結果はクローン病と潰瘍性大腸炎ともに一貫しており、年齢と地域に基づいてIBDを発症するリスクを精査するためのさらなる分析後も同様であったことから、この所見が確固たるものであることを示唆している。

なお、これは観察研究であるため、因果関係を立証することはできないほか、結果は自己申告に依存しており、年月の経過に伴う食事の変化を考慮していなかったなどの限界はあるものの、研究グループはこの発見が「超加工食品の摂取がIBDのリスクを高める環境要因である可能性があるという仮説を支持する」と述べている。

白肉、未加工の赤肉、乳製品、でんぷん、果物、野菜、豆類はIBD発症との関連は示されていないことから、この研究では、リスクの元は食品そのものではなく、食品の加工または超加工のされ方ではないかとしている。

出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)      
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