2021.7.15
, EurekAlert より:
ヒトの腸内細菌叢は、主に5歳までに成人のような組成に達するが、そこには重要な違いも残されているようだ、というスウェーデン・ヨーテボリ大学からの研究報告。いくつかの細菌は小児期の後半に獲得されるので5歳までには成人のようにならないという。
研究チームは、出生から5歳まで追跡された471人のスウェーデンの子供たちの微生物叢を分析した。また、子供の微生物叢を母親やスウェーデンの成人集団の微生物相と比較した。
その結果、微生物叢の組成の最大の変化は、生後4か月から12か月の間に発生することが明らかになった。成人によく見られる細菌は、子供たちが固形食を食べ始めた頃に出現した。
5年間で、さまざまな微生物属が4つの主要なコロニー形成の軌跡をたどり、出生後のさまざまな時点で豊富に増加し、安定化した。
けれども、5歳児は、成人レベルの細菌叢の豊富さやいくつかの細菌属を欠いていた。対照的に、ある種の細菌属は成人よりも5歳児のほうが豊富であった。
「腸内細菌叢の発達の時間枠とヒトの疾患の発症の関連については、将来より大規模な研究が必要だろう」と研究者はコメントしている。
出典は『細胞:宿主と病原菌』。 (論文要旨)
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