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[その他]  科学報道の文脈は、科学に対する考え方に影響を及ぼす
2021.7.8 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

メディアの科学についての物語の枠組みは、一般大衆の科学への正確さと信頼性の認識に影響を及ぼし、ある特殊なタイプの語り(ナラティブ)は、しばしば、異なる報道姿勢によって傷つく科学の評価を和らげる助けになるだろう、という米国ニューヨーク州立大学バッファロー校からの研究報告。

「我々の研究が示していることは、ニュースメディアの科学についての語り口が、科学が実際に動いているやり方を正確には記述していないやり方で、個々の研究者に注意を払い過ぎている、ということだ」と筆頭著者のヨータム・オフィア助教授は語っている。

オフィア助教授が強調するのは、大衆は科学的誤りの報告から利益を受けるのだが、メディアが進行中の精査が科学の営みの特徴のひとつであることを含めて失敗を報告すれば、利益はいくぶん大きくなるということである。

科学はプロセスであり、それはユリイカ!な瞬間や目も眩むばかりの発見の集合体ではない。それは持続的、懐疑的、建設的に研究者同士で仕事をチェックし合っている研究者の共同体である、とオフィア助教授は言う。科学についてに一般的な認識の多くがメディアから来るものなので、共同体ベースで自己修復的な科学についての報告の不在は、心配であるという。

「これが、科学が間違ったときに問題になるのだが、科学は不可避的に間違いを犯すものなのだ」とオフィア助教授は語っている。「それが起こった時、ナラティブは頻繁に危機の記述へとシフトする。それは人々が科学自体の信頼性への信頼を失うことにつながる可能性がある瞬間である。」

オフィア助教授によれば、科学の間違いを特定して修正することが、健全な科学的プロセスの証拠であることを説明することによって、メディアは科学の価値をより良くコミュニケートできる。カギとなるのは新しい種類の物語であるという。

研究チームは、この物語を「問題探求」と名付け、その科学の仕組みに対する説明としての有効性を、4,500名近い参加者(18-81歳)を対象にオンライン調査した。

まず、研究チームは、包括的内容分析を行った。そして、科学の物語は一般的に以下の3つのカテゴリに分類できることを見つけた。

●高潔なクエスト:信頼できる確固とした知識を生み出した英雄的科学者とその科学的成果の年代記
●偽りのクエスト:後に詐欺、非倫理的あるいは方法論的に欠陥があることが判明した、最初は科学的成果として発表された物語
●科学は壊れている:これは再現性に問題がある場合である。再現性は科学プロセスの固有の一部であり、科学者は実験を繰り返して既発表の先行研究に一致することを確認する。再現性の失敗は、しばしば科学が壊れている証拠であるという文脈で語られる。

研究チームはまた、科学には関係のない対照の物語に沿って、別のナラティブも導入した。

「我々が「問題探求」と呼ぶこの新しい条件においては、再現性失敗の物語と後に間違っていることが判明した著名な研究の話は、物語の一部のままだが、失敗は科学的プロセスの一部であると説明されている」と彼は語っている。

「我々は、科学的な失敗の物語が科学への信頼にとって最も有害であることがわかった」とオフィア助教授は言う。「けれども、失敗の話をより適切に文脈化すれば、それらの有害な影響を改善することが可能であることがわかった。」

「文脈化は科学の性質を説明する。この再評価(reassessmentとre-evaluation)が科学を強くする。」

例として、オフィア助教授は、米国CDCがジョンソン&ジョンソンのCOVID-19ワクチンを一部の患者にまれな血液凝固事象が発生したとの報告を受け一時的に停止したことを挙げている。

「ワクチンは連邦政府の承認を受けたが、その後撤回された。このことについて、科学への不信感を醸すことなくどのように説明するか」と彼は問う。「シニカルに、科学が働かない証拠の一つだと言ってもみても誤解を招くだけだ。ここで起きたことは、科学がそうあるべきものとして正しく機能していたということなのである。承認後に懸念が生じた。データが再検討された。そして、科学者らは、リスクが最小限でありワクチンは再配備される、と結論付けた。」

「問題探求」のナラティブは、科学的失敗を文脈に位置付けることに加えて、「科学は壊れている」物語から生じる信頼喪失からの回復の物語も作り出す。

研究チームによる内容分析の一部として「問題探求」のナラティブが表面化しなかったのには、いくつかの因子が絡んでいるという。ニュース管理者は、そのような物語にニュースとしての価値があるかどうか疑問に思うだろう。研究者自身は、より新奇な進歩とは真逆の再現実験が成功したという物語をシェアすることは気が進まないだろう。

けれども、オフィア助教授は、それが単にメディアだけの問題ではないという。

「そこにはニュースソースとジャーナリストの相互作用がある」と彼は言う。「比較的最近の「科学は壊れている」物語は、科学者自身からきているものだ。良い意図であっても、彼らが促進するナラティブとジャーナリストが受け入れる方法、物語が生み出される枠組みが、科学の非信頼性を醸してしまうのである。」

オフィア助教授が言うように、本研究は、いかに文脈的に枠組み付けられた物語が健全な科学プロセスへの洞察を提供できることを示唆しているだけでなく、それはまた科学者とジャーナリストの健全な関係についても語っている。

「これは非難ではない」と彼は言う。「ジャーナリストは一般の人々に奉仕するために最善を尽くしていると強く信じている。我々の仕事をよりよく文脈化するストーリーをジャーナリストに提供するのが科学者としての我々の仕事であろう。」

出典は『科学の公共理解』。 (論文要旨)      
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