2021.7.7
, EurekAlert より:
高齢者の嗅覚はかつて言われていたこととは裏腹に、包括的に低下するのではなく、選択特異性がみられるようだ、というデンマーク・コペンハーゲン大学からの研究報告。
研究チームは、デンマーク5地域から60-98歳の高齢者251名と20-39歳の若年対照群92名を対象に検討を行った。
嗅覚試験にはベーコン、タマネギ、アスパラガス、コーヒーなど日常的に良く食べられる14種類の自然食品やシナモン、オレンジ、バニラなどの精油を含む試験キットが用いられた。
実験の結果、高齢者の揚げ肉、タマネギ、キノコ、コーヒーに対する嗅覚は若年者に比べて著しく低下していたが、オレンジ、ラズベリー、バニラに対する嗅覚は若年者と同等であったという。参加者の嗜好は嗅覚にはかならずしも影響しなかった。
「このようなことが起こる理由は不明である。揚げ肉などの塩味とうま味の味覚は、加齢で最も低下が起こるため、味覚と嗅覚には強い関連があることから、一緒に低下するのかもしれないが、推測でしかない」と研究者はコメントしている。
出典は『食物の質と好み』。 (論文要旨)
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