2021.7.7
, EurekAlert より:
成長期における軟食の摂取が大脳皮質咀嚼野刺激による神経筋活動の成熟を障害し、咀嚼運動の発達に影響を与えるようだ、という東京医科歯科大学からの研究報告。
研究グループは、小児期における軟食化の食餌を再現した粉末飼料飼育ラット(咬合負荷低下モデル)を使用し、離乳期からの期間を対象として、大脳皮質咀嚼野微小電気刺激により誘発される中枢性咀嚼運動への影響を詳しく解析した。
その結果、咬合負荷低下モデルの中枢性咀嚼運動において、水平・垂直的顎運動量が、通常飼料で飼育したラット(正常モデル)に比べて有意に減少することが判明したという。
また、中枢性咀嚼運動時の筋の発火活動において、咬合負荷低下モデルでは正常モデルと比較し、潜時(筋発火までの時間)が有意に延長し、活動電位振幅が有意に減少した。
加えて、パワースペクトル解析にて平均および中間周波数が有意に低下していることが認められた。
以上の結果から、成長期における咬合負荷低下が、皮質咀嚼野誘発性顎運動を指標とした咀嚼運動の中枢性制御機構の発達遅延を生じる、と研究グループは結論付けた。
出典は『サイエンティフィックレポート』。 (論文要旨)
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