2021.7.6
, EurekAlert より:
職場のカフェテリアの購入履歴に関するメールと手紙による個別のフィードバックは、職員の健康的な食品選択を助けるかもしれない、というマサチューセッツ総合病院からの研究報告。
成人の多くが活動時間の半分以上を仕事に費やしていることから、職場は肥満や不健康な食事といった慢性疾患や早期死亡のリスク因子をターゲットとした健康増進プログラム実行の機会を提供する場となり得る。
先行研究での結果に基づいて、研究者らはChooseWell 365という体重増加予防および食事改善のための12ヶ月間の自動個別日行動変容介入研究を実施した。この研究では、日常的に院内併設のカフェテリアを利用しているマサチューセッツ総合病院の職員602名を対象とし、対象者はランダムに介入群と対照群に振り分けられた。
介入群の参加者は、1年間にわたって、自身のカフェテリアでの購入履歴のフィードバックと個別化された健康と生活習慣のポイントを提供する週2通の自動送信メールと、自分の購入品を、院内の他の職員の購入品と比較でき、より健康的な商品を選択することで金銭的な報酬が提供される月1通の手紙を受け取った。
「この新たな職場での取り組みは、完全に自動化されており、対象者は仕事を離れて参加する必要がなく、多忙な病院での職員にとって理想的である」と筆頭著者であるマサチューセッツ総合病院一般内科、ハーバード大学医学部准教授のアン・N・ソーンダイク医学博士は説明する。
介入群の参加者は、対照群の参加者と比較して、カフェテリアでの健康的な食品選択が大幅に増加し、1日に購入した食品の合計エネルギー量も低下した。これらの差は1年間の介入期間中、さらにその後の1年間の経過観察中にも認められた。ただし、1年経過時点、2年経過時点のいずれにおいても体重の変化に群間で差は認められなかった。
「過去の職場における研究で、職員の持続的な食品選択の変化に成功しているものはほとんど見当たらない」とソーンダイク博士は述べている。「今回の研究は、食品の購入履歴のデータが大規模な健康増進介入に活用できるという根拠を示した。」
出典は『JAMAネットワークオープン』。 (論文要旨)
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