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[病気]  血圧を下げる食事療法は心臓病の他の因子も改善
2021.6.28 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

DASH-減塩食を摂取するとストレスバイオマーカーが2割減少するという。米ベスイスラエルディーコネスメディカルセンターの研究。

心血管疾患(CVD)は、米国の主要な死因として知られている。公衆衛生の専門家らは、国民の心臓の健康にかかわる要因のひとつとして、高ナトリウム食を挙げている。ナトリウムは、CVDの主要な危険因子である高血圧と明確に関連しているものの、厳密に管理された研究においては、高ナトリウム摂取と心血管の損傷、心臓発作、または脳卒中との直接的な因果関係を示しているものは実はほとんどないという。

新しい分析で研究チームは、血液中の3つの心臓血管バイオマーカーを調べて、食事が心臓の健康に直接影響するかどうかを評価した結果、DASH食として知られる高血圧を改善させる食事法が炎症を軽減することを示した。DASH食単独、または低ナトリウム食と組み合わせて、心臓の傷害とストレスを軽減することも示した。

「私たちの研究は、食事療法が心臓の損傷に直接影響を与えるという最も強力な証拠のいくつかを表しており、私たちの調査結果は、食事療法の介入が比較的短期間で心臓血管の危険因子を改善できることを示しています」 と筆頭研究者のスティーブン・ジュラシェック助教授は語っている。「このデータは、長期にわたる心臓の損傷を最小限に抑えるために、果物、野菜、全粒穀物が豊富なナトリウムを減らしたDASH食を含むライフスタイルの重要性を強調しています。」

DASH食は、血圧を下げる食事法として、飽和脂肪、総脂肪、コレステロール、赤肉、菓子、加糖飲料を制限しながら、果物、野菜、低脂肪乳製品、全粒穀物、鶏肉、魚、ナッツの摂取を強調する。血圧を下げるという特定の目的で1990年代に開発された、この食事療法はよく研究されており、がん、骨粗鬆症、糖尿病、心臓発作、脳卒中、心血管疾患を予防することも示唆されている。

今回の研究は、研究チームが、DASH食が心臓の傷害、ストレス、および炎症のマーカーを低下させることを発見した2つの最近の分析に基づいている。以前の研究では、ナトリウムの減少が、単独で、またはDASHスタイルの食事療法プログラムと組み合わせて心血管の健康に及ぼす影響を具体的に調べていなかったという。

研究チームは、米国の4つの医療センターで実施されたDASH-ナトリウム研究で採取保存された検体を分析した。この研究においては、研究者らは血圧が上昇した412人の参加者を、DASH食または典型的米国人の食事(対照食)のいずれかにランダムに割り当てた。各参加者は4週間にわたって3つのナトリウムレベル(低、中、高)のいずれかに割り当てられた。これは制御された食事研究で、すべての食事とスナックが提供され、観察下で1日1回のメインディッシュを食べ、残りはオフサイトで摂取した。

研究チームは、この研究で保存された検体を分析して、3つの血中バイオマーカーを調べた。3つのバイオマーカーは、高感度心臓トロポニンI(hs-cTnI)、ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)、および高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)は、3つの異なる無症候性心臓損傷(傷害、ストレス、炎症)の経路にリンクしている。

分析により、DASH食群は、心臓の傷害と炎症に関連するバイオマーカーがそれぞれ18%と13%減少したことが明らかになった。DASH食+低ナトリウム群は、炎症に大きな影響を与えなかったものの、傷害とストレスのバイオマーカーの最大の減少(それぞれ20%と23%)を示した。

DASH食だけではストレスのバイオマーカーは減少しなかったが、DASH食または対照食のどちらかにかかわらず、低ナトリウム食を摂取した参加者のストレスバイオマーカーは19%減少した。しかし、ナトリウムを下げるだけでは、心臓の傷害や炎症に有益な効果はみられなかった。

「私たちは、無症候性心血管疾患の高感度マーカーを使用して、2つの食事戦略が比較的短期間で無症候性心損傷の複数の経路を改善できることを示しました」とジュラシェック医師は述べている。

(※写真に意味はありません)

出典は『米国心臓学会雑誌』。 (論文要旨)      
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