2021.6.21
, EurekAlert より:
妊婦が乳児の健康的な摂食習慣を促進するように、ヘルスケア従事者を訓練することで、子供たちが3歳でより少ない脂肪と炭水化物を摂取し、6歳でより少ない体脂肪をもつことを発見した、という米国コロンビア大学などからの研究報告。母親が授乳をやめた生後1年で肥満の根が始まることを示した最初の研究であるという。
研究チームは、ブラジルのポルトアレグレで、低所得世帯に出生前、乳児、およびその他のプライマリケアサービスを提供する31のセンターでランダム化試験を実施した。介入は2008年5月から2009年2月までの出生に基づいており、ブラジルの食事ガイドラインである「ブラジルの出生から2歳の子供の健康的な摂食のための10のステップ」を中心としたプライマリヘルスケア従事者の知識を高めるためのトレーニングプログラムで構成されていた。
すべての家族は、待合室のポスターを通じて、2歳未満の子供に提供してはならない補完的な食品(つまり、クッキー、スナック、ソフトドリンク、お菓子)について知らされた。訓練を受けた従事者は、その後の家庭訪問で、6か月、12か月、3歳、6歳の子供の成長とその他の結果を測定した。食品の種類、量、調理方法に関する詳細も記録した。
すべての年齢でのエネルギー摂取量は、対照群と比較して介入群で低く、3歳で統計的に有意な差がみられたという。また、介入群の子供は、3歳で対照群よりも炭水化物と総脂肪の摂取量が少なく、6歳で腹囲が小さく、皮下脂肪が薄く、体脂肪の蓄積が少ないことが明らかになった。
「両群のエネルギー摂取量は、すべての年齢層で所要量を上回っていたが、介入グループでは過剰なエネルギー摂取量が少なかった」と主任研究者のL.H.ルメイ博士は語っている。「開始時には差はわずかだったが、長期にわたる中で、摂取量は1日92kcal、年間で33,000の低下につながった。この大きさの変化は、子供時代の体重変化を説明することができるものだ。」
介入群は6歳でいくつかの測定での体脂肪が低かったが、この違いは感度の低い指標であるBMIスコアには反映されていなかった。けれども、6歳で介入群の過体重率は対照群より7%低く、過体重率の1%の低下は、17億ドルの医療費の削減につながると推定されるので、これは公衆衛生的に重要な影響を示唆するものだという。
「この研究が示唆することは、我々がもっと早い時期を考えなければならないかもしれないということだ。人生の早い段階での摂食習慣は、就学前の子供の体の大きさにすでに大きな影響を与える可能性がある」とルメイ博士はコメントしている。
出典は『人類栄養学と食事療法雑誌』。 (論文要旨)
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