2021.6.21
, EurekAlert より:
思春期に血中のオメガ-3系脂肪酸のレベルが高い者は、成人期初期に精神病性障害を発症する可能性が低いようだ、という愛蘭RCSI医科健康科学大学からの研究報告。
英国ブリストルの「90年代の子供たち健康調査」の参加者3,800人以上について、17歳と24歳における精神病性障害、うつ病性障害、全般性不安障害の罹患歴が調べられた。
同時に採血され、一般的に体内の炎症を増加させるオメガ-6系脂肪酸、および一般的に炎症を減少させるオメガ-3系脂肪酸のレベルが測定された。
脂肪酸と17歳時の精神障害の関連の証拠はほとんどなかったが、研究チームは、24歳時に精神病性障害、うつ病性障害、全般性不安障害があった者は、それらの障害のない者と比べて、オメガ-3系脂肪酸よりもオメガ-6系脂肪酸のレベルが高いことを発見した。
研究チームはまた、精神病性障害のある24歳の者は、精神病性障害のない24歳の者よりも、魚介類に豊富に含まれるオメガ-3脂肪酸であるDHAのレベルが低いことを発見した。
時間経過を追跡された2,700人を超える人々のグループでは、17歳でDHAのレベルが高い者は、7年後の24歳で精神病性障害を発症する可能性が56%低くなった。これは、思春期のDHAが成人期初期の精神病のリスクを減らす潜在的な予防効果をもたらす可能性があることを示唆している。
これらの結果は、性別、BMI、喫煙、社会経済的状況などの他の要因を考慮した場合でも一貫性がみられた。
「この効果の背後にあるメカニズムを学ぶためにさらに研究を行う必要があるが、それはおそらく思春期の炎症の軽減または脳の不適切なシナプス刈り込みの減少に関連している可能性がある」と筆頭著者で大学院生のデビッド・モンガン氏はコメントしている。
出典は『トランスレーショナル精神医学』。 (論文要旨)
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