2021.6.18
, EurekAlert より:
米国心臓協会の新しい科学声明によると、座るのを減らして、動きを増やす「処方箋」は、健康な成人の軽度から中等度の高血圧と血中コレステロールを減らすための最適な最初の治療法であるという。
「高血圧とコレステロールを診断するための現在のアメリカ心臓協会のガイドラインは、これらの心血管リスク因子のレベルが軽度または中程度に上昇している健康な個人に、これらのリスクを積極的に軽減しようとする必要があることを認識している。これらの患者の多くの最初の治療戦略は、身体活動の増加から始まる健康的な生活習慣の変化であるべきだ」と筆頭著者で米国ピッツバーグ大学のベサニー・バローネ・ギブス准教授は語っている。
身体活動の増加は、通常、平均で3または4 mmHgという収縮期および拡張期血圧の臨床的に意味のある低下をもたらす。同様の改善が血中コレステロールでも見られ、たとえば、身体活動の増加は、通常、LDL-コレステロールを3-6 mg/dL減少させる。
本声明では、身体的にアクティブな人は、そうでない人と比べて、心血管疾患を発症するリスクが21%低く、心血管疾患による死亡のリスクが36%低いと結論付けた研究結果を強調している。
健康を改善するために、米国保健福祉省の「2018年アメリカ人のための身体活動ガイドライン」では、個人が週累積150分間の中強度の有酸素運動、または75分間の激しい有酸素運動と毎週2回以上の筋力トレーニングセッションに参加することを推奨している。
ただし、身体活動の恩恵を受けるための最低時間はない。「少しでも活動するほうが、何もないよりはましだ」とギブス博士は語っている。「1日5分から10分のわずかな初期の増加でさえ健康上の利益をもたらすことができる。」
この声明は、患者カウンセリング、健康行動の専門家(例:健康コーチ)の組み込み、身体活動のニーズを満たすためのコミュニティセンターなどの地域のリソースへ患者をつなげるなどの運動「処方箋」を臨床医に提供するための提案が含まれている。
出典は『高血圧』。 (論文要旨)
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