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[病気]  症例研究:完全ケトン食のIDH1変異神経膠芽腫患者
2021.6.18 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

脳腫瘍の治療のための標準治療を拒否した英国人男性が、ケトン食療法を採用した後、通常は致命的な膠芽腫の成長が非常に遅くなった、という米国ボストンカレッジからの症例報告。

この報告は、IDH1 変異型膠芽腫(GBM)と診断された患者に対して、化学療法や放射線治療を行わないケトジェニック代謝療法 (KMT) の使用に関する初めてのものだという。ケトン食療法は、神経膠芽腫を含むさまざまながんを管理するために低炭水化物、高脂肪食を使用する、補完的または代替的な栄養学的アプローチとして知られる。

患者は、2014年に膠芽腫と診断され、従来の強い副作用を持つ標準治療を避け、代わりに、がんを管理するために、炭水化物が少なく脂肪が多い自主的なケトン食療法に着手したという。

研究チームによれば、「患者の腫瘍は2017年まで予期された血管原性浮腫なしに3年間非常にゆっくりと成長し続けた」という。

その時点で、患者は腫瘍の「外科的デバルキング(部分的切除)」を受けた。病理標本はGBMの診断を確認し、患者の腫瘍にIDH1変異が含まれていることを確認した。

「手術後、患者は自己管理されたケトン食療法を継続し、治療的ケトーシスを示す低いグルコースケトン指数(GKI)値を維持した」と研究チームは報告している。

「残存腫瘍の継続的なゆっくりとした進行のもと、患者はストレスを軽減するためのマインドフルネス技術を組み込んで、2018年10月からケトン食療法を強化した。磁気共鳴画像法(MRI)はゆっくりとした間隔の腫瘍進行を示しているが、この報告の時点での患者の生活の質は良好である。」

彼は、最初の診断から現在82ヶ月が経過している。

「GBMを含む腫瘍は、グルコースとグルタミンがなければ生き延びることはできない。我々の研究は、後天的な体細胞変異が低炭水化物、高脂肪の食事と相乗的に作用し、致命的な脳腫瘍の長期管理を可能にする新奇なメカニズムを同定した」と主任研究者のトーマス・サイフリッド教授は語っている。

このような個々の症例研究は非常に興味深いものではあるが、研究チームは次のように述べている。「我々のGBM患者に見られたケトン食療法による治療効果が、同様に治療された他のGBM患者にも見られるかどうかを予測することはできない。腫瘍に自然発生的なIDH1突然変異を獲得する幸運に恵まれないGBM患者の場合、腫瘍の成長を抑えるためにケトン食療法と一緒に使用されるグルタミン標的薬が必要になるだろう。」

出典は『栄養学の最前線』。 (論文要旨)      
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