2021.6.16
, EurekAlert より:
なぜ妊娠中の身体活動が子供に代謝上のメリットをもたらすかを説明するメカニズムを明らかにした、という米国ハーバード大学などからの研究報告。
研究チームによると、鍵はSOD3と呼ばれるたんぱく質とビタミンD、そして適切な運動にあるという。
本研究結果は、妊娠中のマウスを使った一連の実験から得られたもので、自発的なホイールランニング(つまり運動)にさらされたグループと座りがちなグループを比較している。研究チームは、さまざまな手法を使用して、特にグルコース代謝に関連して、DNAメチル化、細胞シグナル伝達、遺伝子発現などのパラメーターに対する運動の影響を検討した。
検討の結果、研究チームは、SOD3が、子供の肝臓におけるDNA脱メチル化を制御する特定のシグナル伝達経路を活性化する運動誘発性胎盤由来たんぱく質であり、それが子供の糖代謝の多くの側面を改善することを発見した。
研究チームはまた、SOD3発現のメディエーターとしてのビタミンDの重要な役割を強調し、母親の食事はSOD3の胎盤レベルに影響を与え、したがって子供の代謝健康の改善に影響を与えるのに十分なビタミンDレベルを持たなければならないことを示唆している。運動だけでもビタミンDだけでも、SOD3は増加しなかったという。
研究チームは、妊娠中の女性のSOD3レベルも調べ、より多く運動した人は血清と胎盤のSOD3のレベルが高く、妊娠後期に最も高いように見えることを発見したという。
「我々のデータは、最適なビタミンDレベルと組み合わせた運動が妊娠後期に特に有益である可能性があることを示唆している」と研究者はコメントしている。
出典は『細胞代謝作用』。 (論文要旨)
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