2021.6.2
, EurekAlert より:
心肺フィットネスレベルとその変化を予測する一連の血中たんぱく質セットを明らかにした、という米国ベスイスラエルディーコネス医療センターなどによる研究報告。
運動の恩恵は誰もが受け取ることができるとしても、体力と健康の関連についてのメカニズムは完全に解明されておらず、同じ運動が異なる人々に異なる効果をもたらす理由も明らかではない、という。
「グループ全体が運動の恩恵を受けている一方で、まったく同じ運動療法を受けている2人の個人間の反応のばらつきは、実際には非常に印象的である」と主任責任著者のロバート・ゲルツェン教授は語っている。
研究チームは、20週間にわたる持久力運動プログラムの前後に、650名の座位中心の成人から約5,000種類の血中たんぱく質を測定した。
その結果、147の血中たんぱく質セットは、研究開始時の個人の心配フィットネスレベル(VO2max)の指標となり、別の102の血中たんぱく質セットは、運動プログラム完了後のVO2maxの変化の指標となることが明らかになったという。
「心肺フィットネスレベルに強く関連し、これまで運動トレーニングの反応に関連付けられたことのない、骨、筋肉、血管から発するたんぱく質を特定した」とゲルツェン教授は語っている。
筆頭著者のジェレミー・ロビンズ医師は、「以前の研究では、個人のベースラインフィットネスレベルは運動トレーニングへの反応とは無関係であることが示されていたが、ベースラインVO2maxのたんぱく質プロファイルと運動トレーニング介入への反応の間には最小限の重複しかないことを確認するのは魅力的だった」と語っている。
この情報を使用して、研究チームは、個人のトレーニング可能性、またはVO2maxの変化、を予測する能力を向上させるたんぱく質スコアを開発したという。たとえば、このスコアは、標準化された運動プログラムに参加しているにもかかわらず、心肺フィットネスを大幅に改善できなかった個人を特定した。
「いくつかのたんぱく質のベースラインレベルは、確立されたどの因子よりもはるかに優れて、誰が運動トレーニングプロトコルに反応するかを予測した」とゲルツェン教授は語っている。
同じ論文の一部をなす、別のコミュニティベースの研究で、研究チームはこれらのたんぱく質のいくつかが早期死亡のリスクの上昇に関連していることを発見したとして、心肺フィットネスと長期的な健康転帰との関連を強調している。
出典は『ネイチャー代謝』。 (論文要旨)
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