2021.6.1
, EurekAlert より:
中年女性にとって、運動は多くの健康上の利点があるが、長期的には認知機能の維持に役立たない可能性があるかもしれない、という米国カリフォルニア大学からの研究報告。
本研究では、女性の平均年齢が 45 歳であったときから 21 年間にわたり、約 1,700 人の女性の多様なグループが観察された。研究チームは、女性の3つの主要な認知能力を調査した。認知処理速度(精神がいかに速く働くか)、言語記憶 (聞いた話を思い出す能力)、作業記憶(情報を操作する能力)。
『JAMAネットワークオープン』誌に発表された本研究は、中年女性の身体活動の長期的な認知効果を調査した最初の研究の1 つであるという。
調査の結果、21 年の間に、女性の認知処理速度は合計で8%、つまり1年につき約0.4%低下し、言語記憶と作業記憶の低下はよりゆっくりで、各々4%と3%低下したことがわかったという。
研究チームは、認知老化の他のリスク因子を調整した後、検査された3つの認知領域において、身体活動と認知能力の低下の間に関連がみられないことを発見した。
「我々の研究は、中年期の女性の通常の自発的な運動活動は、認知老化を遅らせるのに十分ではないことを示している」と責任著者のゲイル・グリーンデール教授はコメントしている。
けれども、グリーンデール教授は、身体活動をより高いレベルに増やすことで認知機能の維持に役立つかどうかについては、この研究では明らかにされていないと指摘している。「中年期の認知老化を防ぐ方法については、もっと研究する必要がある。何が効果的かわかっていないだけだ。」
出典は『JAMAネットワークオープン』。 (論文要旨)
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