2021.6.1
, EurekAlert より:
中高生の食習慣は、COVID-19によって課せられたロックダウンの期間中に変化し、社会経済的に弱い立場にあるグループでは悪化が見られた。カタルーニャ・オベルタ大学からの報告。
研究はカタルーニャの12-18歳の中高生303名を対象に、2020年3月から5月の期間中に、食行動および摂取した食品の観点から食事がどのように変化したかを調べるために、DESKコホート研究の一環として行われた。この研究では、食事の変化が、パンデミック以前の食事の質および生徒の社会経済状態によって異なるかという点に焦点を当て、データ収集が行われた。
研究を行った思春期栄養健康学の専門家アリシア・アギラル・マルティネス氏は「ロックダウンがどのように中高生の食事の質に影響するかを理解することは、生徒たちの食事関連の判断や行動に影響する因子を知る助けになる」と述べている。
今回の研究では、ロックダウン前と比べて摂取する食品や食行動の頻度に変化があったかどうかを生徒たちに回答させている。その結果、社会経済的に弱い立場にある生徒で、穀類および野菜の摂取の減少、インスタント食品の摂取の増加が示された。このグループでの食事の質の低下リスクは、他の社会経済状態の生徒に比べて21%高かった。
著者の一人である公衆衛生学の専門家マリーナ・ボスク・プルス氏はこの結果が「ロックダウン以前にすでに存在していた格差の拡大」を示していると強調する。「この結果を踏まえることで、行政は、格差拡大を防ぎ、今後のロックダウンに対してより周到に対応する行動計画や政策を醸成することができるだろう。」
今回の研究で収集されたデータについて、「このような集団を対象とした公衆衛生上の行動、プログラム、政策をデザインするために役立つ可能性がある」とも話した。
研究対象となった生徒たち全体の変化として、40%が果物の摂取が増えたと答え、21.5%がより多様な食事を食べるようになったと回答した。また、39.3%が菓子類やペストリー、49.2%がインスタント食品、49.8%が加糖ソフトドリンクの摂取の低下を申告した。
その一方で、56%はより間食の頻度が高くなったと回答し、不規則な食事パターンが認められた。研究者らは「短い期間にみられたこれらの変化が、長期においても持続するかどうかを解析する必要がある」と述べている。
アギラル氏は、10代がライフスタイルの確立と定着のための重要な時期であり、成年後の疾病の発症と予防に影響することを強調し、警告している。
「公共政策を策定し、健康的な食事に関する勧告を行う際には、より弱い立場にある集団の特性に焦点を当てる必要がある。最もリスクが高い集団に適応し、栄養および健康上の格差拡大の継続を阻止する必要がある。」
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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